飽和脂肪酸は太る?飽和脂肪酸の太るメカニズム

飽和脂肪酸ってなに?

太るの?

 

こんにちは、おっちーです(^^)

前回の記事では、脂質が太る仕組みについて解説しました。

ダイエット学

なぜ脂質は太るの?脂質が太る仕組みを教えて! こんにちは、おっちーです(^^)前回の記事では、糖質は太る?太らない?について解説しました。[sitecard subtitle=ダイエット学 url=[…]

 

この中で、飽和脂肪酸について簡単に説明しています。

ただし、さらっと解説しただけだったので、よくわからないという方もいらっしゃるでしょう。

 

そこで、今回のテーマは飽和脂肪酸について詳しく解説していきます。

飽和脂肪酸は太ったり、体に悪いと言われています。

しかし、飽和脂肪酸でも種類によっては太らないし、体に良い効果をもたらすものがあります。

 

そんな飽和脂肪酸をより深く理解していただくために、論文10本のなかから重要なポイントをピックアップして、できるだけわかりやすく要約しています。

これにより、より正確で確実な情報をあなたにお届けすることができるでしょう。

 

この記事では、

  • 飽和脂肪酸の基本的なお話
  • 太る飽和脂肪酸の長鎖脂肪酸
  • 長鎖脂肪酸はなぜ太るのか?なぜ体に悪いのか?

について詳しく解説しています。

 

これを読めば、あなたは飽和脂肪酸についてより詳しくなり、必ず痩せて-10歳の健康美につながる食材を正しく選択できるようになるでしょう。

 

それではいってみましょう!(๑•̀ㅂ•́)و✧

飽和脂肪酸の基本的なお話

では、結論です。

”飽和脂肪酸で太るのは長鎖脂肪酸!”

です。

 

なぜなら、長鎖脂肪酸には太る理由が明確にあるからです。

飽和脂肪酸とは

長鎖脂肪酸の解説に入る前に、まずは基本となる飽和脂肪酸について解説します。

 

飽和脂肪酸とは、脂質に含まれる脂肪酸の一種です。

「パーム油、肉の脂、乳製品(バター、生クリーム、チーズ、牛乳)、卵黄、チョコレート」などに多く含まれています。

 

脂質の種類には、中性脂肪といった単純脂質、細胞の膜となるリン脂質の複合脂質、脂質の性質を変える脂肪酸の誘導脂質の3種類に分類されます。

そして、脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸にわかれており、さらに飽和脂肪酸は「短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸」の3つに分類されている。

脂質といっても非常に多くの種類にわかれているため、脂肪酸レベル(下図の緑字の部分)でおさえておかないと、良いのか悪いのか判断つかないため注意が必要です。

飽和脂肪酸は、上記のとおり3種類あるのですが、食事管理アプリの「あすけん」や「カロミル」では飽和脂肪酸として一括りになっています。

食事管理アプリでは、”飽和脂肪酸を摂りすぎなので注意しましょう!”といったアドバイスをよく目にするかと。

 

たしかに飽和脂肪酸の過剰摂取は肥満や健康に害を与えます。

しかし、同じ飽和脂肪酸であっても「短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸」は全く異なる性質を持っているので、ここはしっかりおさえておきたいところでしょう。

太る飽和脂肪酸:長鎖脂肪酸

飽和脂肪酸のなかでも太る脂肪酸が、長鎖脂肪酸です。

今回は長鎖脂肪酸にフォーカスして解説していきます。

※中鎖脂肪酸と短鎖脂肪酸も重要なので、それは次回以降の記事で解説する予定です。

 

長鎖脂肪酸は、「肉の油、乳製品、植物油(パーム油)」といった動物性の油や植物性の油に多く含まれています。

 

長鎖脂肪酸にもいくつかの種類がありますが、

  • パルミチン酸:パーム油、肉の脂、乳製品(バター、生クリーム、チーズ、牛乳)、卵黄、チョコレート
  • ステアリン酸:肉の脂、チョコレート(カカオ)

の2種類が代表的な長鎖脂肪酸といってよいでしょう。

※パーム油は、焼菓子、キャンディー、ケーキ、チップス、スナック菓子、チョコレート、クッキー、食用油、ドーナツ、冷凍食品(パンケーキ、パイ、ピザ、ポテト)、アイスクリーム、インスタント麺、マーガリン、ピーナツバター、ドレッシングで使用されています。

 

で、これらの長鎖脂肪酸は太ると言われています。

なぜ、長鎖脂肪酸は太るのか?

では、なぜ長鎖脂肪酸は太るのでしょうか?

ここでは、長鎖脂肪酸が太るメカニズムについて解説します。

 

長鎖脂肪酸のなかでもパルミチン酸は太る脂肪酸と言ってよいでしょう。

※ステアリン酸は吸収率が低いため太りにくい脂肪酸と言われています。

 

ここでは、「長鎖脂肪酸=パルミチン酸」として解説していきます。

 

肥満の象徴ともいえる中性脂肪は、グリセリンに3つの脂肪酸が合体して構成。

「パーム油、肉の脂、乳製品(バター、生クリーム、チーズ、牛乳)、卵黄、チョコレート」といった食品を食べると、この中性脂肪で構成される脂肪酸が、長鎖脂肪酸のパルミチン酸になるということです。

 

パルミチン酸で構成された中性脂肪は、下図の「脂質から脂肪を作る流れ」のとおりの経路を辿り、最終的に体脂肪として蓄積されます。

パルミチン酸で構成された中性脂肪(脂質)を摂取すると、

  1. 小腸(十二指腸)で膵液と胆汁によって、中性脂肪(脂質)は乳化(ミセル化)される
  2. 乳化された中性脂肪(脂質)は、消化酵素のリパーゼによって、モノグリセリドと脂肪酸(パルミチン酸)に分解される。
  3. モノグリセリドと脂肪酸(パルミチン酸)は再び乳化(ミセル化)し、小腸の上皮細胞で吸収される
  4. 小腸の上皮細胞のなかで、モノグリセリドと脂肪酸(パルミチン酸)は中性脂肪に合成される
  5. と、同時に中性脂肪はたんぱく質と結合してキロミクロンと呼ばれるリポタンパク質になる
  6. リポタンパク質は血管に放出されるのではなく、リンパ管に放出される
  7. リンパ管に放出されたキロミクロンは、胸管(きょうかん)という大きなリンパ管を得て、左鎖骨付近の大静脈に合流する(脂質は、糖質とたんぱく質と異なり肝臓を経由しない)
  8. 大静脈に合流したキロミクロンは全身に運ばれる
  9. 筋肉で糖質が不足している場合、キロミクロンから脂肪酸が取り出される
  10. 取り出された脂肪酸は、筋肉の細胞内のミトコンドリアにて「β酸化→クエン酸回路」のプロセスを通じてエネルギー通貨であるATPを獲得する
  11. 筋肉で使用されなかったキロミクロンは白色脂肪細胞に中性脂肪として蓄積される

といった流れで、最終的に中性脂肪として体脂肪に蓄積されるのです。

 

そして、パルミチン酸は高カロリー。

筋肉で消費されない分は、中性脂肪として蓄積されます。

 

筋肉で消費されるエネルギーは糖質が優先されます。

よって、長鎖脂肪酸のパルミチン酸は消費されず、そのまま体脂肪になる可能性が高い。

 

この脂質から脂肪を作る流れの基本となるのが長鎖脂肪酸なのです。

ダイエット学

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体に悪い?長鎖脂肪酸はインスリン抵抗性を引き起こす

そして、長鎖脂肪酸のパルミチン酸はインスリン抵抗性を引き起こす可能性があります。

参考:パーム油とパルミチン酸の生物学的および栄養学的特性: 健康への影響(2015年9月

 

インスリン抵抗性とは、インスリンの効きが悪くなるということ。

インスリンの効きが悪くなるということは、血糖(エネルギー)を細胞に取り込む力が弱まるということです。

 

血糖を細胞に取り込む力が弱まると、細胞ではエネルギーが不足するため、よりインスリンを分泌させ血糖を取り込もうとする力が働きます。

すると、血液中にインスリンが過剰になってしまうことに。

 

インスリンは血糖を取り込む他に、中性脂肪を合成する働きがあります。

つまり、インスリンが過剰になると「中性脂肪が増える=肥満になる」のです。

 

また、インスリンの効きが悪い状態が長く続くと、膵臓が十分なインスリンを分泌することができなくなり、2型糖尿病へと発展します。

 

なぜ、長鎖脂肪酸のパルミチン酸が、インスリン抵抗性をひきおこすのか?

  1. パルミチン酸を過剰に摂取
  2. 有益な腸内細菌が死滅する
  3. 悪玉菌が作るリポ多糖(LPS)が腸のバリアの隙間から血液に侵入
  4. リポ多糖(LPS)が全身にまわり始める
  5. リポ多糖(LPS)は病原因子である内毒素(エンドトキシン)
  6. 内毒素(エンドトキシン)を排除しようと免疫機能が過剰に反応
  7. 炎症が引き起こされ、これが続くと慢性炎症になる
  8. 慢性炎症はインスリン抵抗性につながる

といった流れが指摘されています。

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長鎖脂肪酸のパルミチン酸は、インスリン抵抗性を引き起こすことで太るといったことが考えられます。

体に悪い?長鎖脂肪酸はレプチン抵抗性を引き起こす

また、長鎖脂肪酸のパルミチン酸はレプチン抵抗性を引き起こす可能性があります。

参考:パルミチン酸は中枢性レプチン抵抗性を誘導し、雄マウスの肝グルコースおよび脂質代謝を障害する(2015年5月

 

レプチン抵抗性とは、レプチンの効きが悪くなるということ。

レプチンとは痩せるホルモン。

自動で痩せる仕組みのセットポイントのメカニズムを支えるホルモンです。

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レプチンは太ると、

  • 脳に満腹サインを送り食欲をおさえる
  • 蓄えられた脂肪を分解して燃やす(基礎代謝アップ)

という2つの働きで痩せます。

 

で、レプチン抵抗性とは、この痩せるホルモンのレプチンの効きが悪くなっているということ。

つまり、「食欲アップ↑基礎代謝ダウン↓=太る」となる。

 

なぜ、長鎖脂肪酸のパルミチン酸はレプチン抵抗性を引き起こすのか?

 

それは、

  1. パルミチン酸を過剰に摂取
  2. TNF-α(ティーエヌエフアルファ:腫瘍壊死因子)、インターロイキン6、インターロイキン1βといった炎症性のサイトカイン(生理活性物質)の発現量が増える
  3. これらの炎症性サイトカインがNF-κB(エヌエフカッパービー:)の炎症シグナル伝達経路を活性化させる
  4. 脳の視床下部に低グレードの炎症が起こる
  5. 視床下部のレプチンシグナル伝達経路に障害が起きる
  6. レプチン抵抗性が引き起こされる

といった流れです。

 

また、「高脂肪食(過剰なパルミチン酸)・高糖質食」がPTPRJというレプチン抵抗性を引き起こす酵素を過剰発現させることもわかっています。

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長鎖脂肪酸のパルミチン酸は、レプチン抵抗性を引き起こすことで自動で痩せる仕組みのセットポイントの機能を狂わせることで太ることが考えられます。

 

 

また、飽和脂肪酸は心血管疾患(さまざまな心臓病や不整脈)のリスクを高めることもわかっています。

飽和脂肪酸鎖長と心血管疾患リスク: 系統的レビュー(2022年12月

 

まとめると、

”飽和脂肪酸の長鎖脂肪酸は太る!”

です。

 

なぜなら、

  • 長鎖脂肪酸は高カロリーで脂質から脂肪を作る流れの基本となっている
  • 長鎖脂肪酸はインスリン抵抗性を引き起こすことにより肥満になる
  • 長鎖脂肪酸レプチン抵抗性を引き起こすことにより肥満になる

の3つの理由があげられるからです。

まとめ

最後にもう一度内容を確認しましょう。

  • 飽和脂肪酸とは脂質に含まれる脂肪酸の一種
  • 「肉の脂、乳製品(バター、生クリーム、チーズ、牛乳)、卵黄、チョコレート、パーム油」などに多く含まれている
  • 飽和脂肪酸には「短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸」の3種類がある
  • 同じ飽和脂肪酸でも「短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸」は全く異なる性質を持っている
  • 太るのは長鎖脂肪酸
  • 長鎖脂肪酸に代表されるのは「パルミチン酸」と「ステアリン酸」がある
  • 脂質から脂肪を作る流れの基本となるのが長鎖脂肪酸
  • 長鎖脂肪酸のパルミチン酸はインスリン抵抗性を引き起こす可能性がある
  • 長鎖脂肪酸のパルミチン酸はレプチン抵抗性を引き起こす可能性がある
  • だから長鎖脂肪酸は太る

 

いかがでしたでしょうか?

 

飽和脂肪酸の長鎖脂肪酸は太る。

そして、炎症を引き起こしてインスリン抵抗性やレプチン抵抗性を引き起こすなどカラダにも悪い。

 

今回のお話で、飽和脂肪酸についてより詳しくなり、必ず痩せて-10歳の健康美につながる食材を正しく選択できるようになったのではないでしょうか?

 

今回のお話は以上です。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

 

それではまた♪

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