【痩せる細胞】褐色脂肪細胞で「やせ体質」は手に入るのか?

痩せる細胞?

褐色脂肪細胞って何?

それで「やせ体質」は手に入るの?

 

こんにちは、おっちーです。

 

もし、痩せる細胞というワードが気になるのならこの記事を読んでみてください。

 

「痩せる細胞=褐色脂肪細胞」です。

 

数々の研究により、この褐色脂肪細胞は脂肪を燃焼させる働きがあることがわかっています。

 

この記事では「痩せる細胞=褐色脂肪細胞」について詳しく解説します。

そして、褐色脂肪細胞で「やせ体質」が手に入るかどうかを確認していきます。

 

これを読み終えたころのあなたは、

  • 褐色脂肪細胞について詳しくなる
  • 褐色脂肪細胞で「やせ体質」が手に入るかがわかる

ことでしょう。

 

それでは、詳しくみていきましょう!

褐色脂肪細胞とは

褐色脂肪細胞とは、脂肪を燃焼し熱を生み出す細胞のことです。

 

そして、結論を先に言ってしまうと、

褐色脂肪細胞を活性化させれば「やせ体質」を手に入れることができます。

 

前回、脂肪細胞の一つである白色脂肪細胞について解説しました。

ダイエット学

太る細胞?人はどうやって太っていくの? こんにちは、おっちーです。 あなたは太る細胞の存在を知っていますでしょうか?そして、人はどうやって太るのか具体的なところわかりますか[…]

 

簡単におさらいすると白色脂肪細胞とは脂肪(中性脂肪)を蓄える細胞でした。

この白色脂肪細胞に脂肪がたまり、肥大・増殖していくことで人は太ります。

 

今回ご紹介する褐色脂肪細胞とは、その白色脂肪細胞と対極に位置する細胞です。

褐色脂肪細胞は、その名のとおり脂肪細胞の色が茶色になっています。

※ちなみにベージュ色のベージュ脂肪細胞というものもあります。褐色脂肪細胞とは別物ですが機能はほぼ同じのため、ここでは「ベージュ細胞=褐色脂肪細胞」として扱います。

 

白色脂肪細胞は、全身のあらゆるところ(とくに下腹部、お尻、太もも、背中、二の腕、内蔵の周り)に存在しています。

それに対し、褐色脂肪細胞は後頭部、肩甲骨の間、鎖骨、脇、心臓の周囲、腎臓の周囲といった限られた場所にのみ存在します。

 

白色脂肪細胞が脂肪を蓄えるのに対し、褐色脂肪細胞は脂肪を消費します。

 

この褐色脂肪細胞は赤ちゃんをピークに成長期に入ると少しずつ減少するといわれています。

年を重ねるごとに脂肪がつきやすくなるのは、この褐色脂肪細胞が減ってくることも要因の一つです。

 

そして、褐色脂肪細胞の活動量も個人差があります。

活発に働く人は、太ってしまった人と同じ量を食べてもまったく太りません。

逆に活発でない人は、同じ量を食べると太ってしまいます。

 

いわゆる「やせ体質」とは、この褐色脂肪細胞が活発に働く人のことです

 

褐色脂肪細胞は、体を寒さから守るといった大切な役割を担っています。

冬の寒さを感知して、脂肪を燃焼し熱を発生させて寒さから体を守る。

それが、褐色脂肪細胞の働きです。

※褐色脂肪細胞が存在する場所を見ても、体にとって最も大切なところを寒さから守っていることがわかります。

 

では、具体的にどうやって寒さから守っているのでしょうか?

詳しく見ていきます。

※メカニズムのお話は難しくなりますので、面倒であれば「褐色脂肪細胞を活性化する方法」まで飛ばしてください。

褐色脂肪細胞が脂肪を燃焼させるメカニズム

褐色脂肪細胞が熱を発生させるのは、β3アドレナリン受容体UCP-1(脱共役タンパク)によるところが大きいです。

 

β3アドレナリン受容体?UCP-1?

また難しい単語が並びましたね。

 

実は、これらはすでに取り扱ったことがあります。

ダイエット学

こんにちは、おっちーです^^今回も必ずやせて-10歳の健康美を手に入れるための「ダイエットの基礎知識」を学んでいきます。 前回は「身体活動レベルから導く1日の総消費カロリー(TDEE)」について学びました。[…]

 

肥満遺伝子の時のお話でした。

 

褐色脂肪細胞では、このβ3アドレナリン受容体とUCP-1の働きによって脂肪が分解され熱を産出しています。

 

この2つが脂肪を分解し熱を作り出す流れは下記のとおりです。

  • β3アドレナリン受容体:脳の中枢神経系で寒さを感知すると、交感神経の情報伝達物質としてノルアドレナリンが放出される。β3アドレナリン受容体はこのノルアドレナリンを受け取ると脂肪の分解と熱産生が促される。日本人の約30%〜40%が変異型の遺伝子を持っており、脂肪分解による熱産生を得られない体質になっている。
  • UCP-1(アンカップリングプロテイン-1、脱共役タンパク1):褐色脂肪細胞のミトコンドリア内膜に存在し、寒さにさらされたり、レプチンなどの刺激に反応して脂肪分解が促され、体温を維持するために脂肪を燃焼させる。日本人の約20%が「UCP-1」を作れない遺伝子を持っており、その人は基礎代謝量が低くなり太りやすくなると言われている。

参考:褐色脂肪およびベージュ脂肪の発達の制御(2016年8月)

 

褐色脂肪細胞を活性化する方法

褐色脂肪細胞は、寒さから身を守るため脂肪を燃焼させることがわかりました。

この褐色脂肪細胞が活性化すれば「やせ体質」を手に入れることができます。

 

では、この褐色脂肪細胞を活性化させるにはどうしたらいいのでしょうか?

 

基本は、体が寒さにさらされると褐色脂肪細胞は活性化されるということです。

ヒトにおける抗肥満剤としての採用された褐色脂肪組織(2013年7月)

19度の寒冷によるエネルギー消費量の増加は、褐色脂肪細胞を活性化させる指標となることが示唆された。

17度の寒冷を毎日2時間、6週間続けたところ、体脂肪量が5%減少した。(体重は変化なし)

 

以上をふまえて何をすればいいのかというと、

寒いところにいる

上記の例からは、19度くらいの気温にいると褐色脂肪細胞が活性化されることがわかります。

そして、17度くらいの寒さで毎日2時間を6週間続けると体脂肪量が5%減ることもハッキリしています。

 

ということで、シンプルに17度以下の寒い所にいればよいということです。

 

肌寒い時季にできるだけ外にいるだけで褐色脂肪細胞は活性化されます。

 

ただ、毎日2時間を6週間続けるというのは、ちょっと難しいのかもしれません。(^_^;)

※夏や暖かい時期は、ほぼ対象外。

肌寒い時季の散歩

そこで考えたのが、肌寒い時季の散歩です。

 

運動することで体温があがり、寒さは感じられず意味がないのでは?

と思ったところですが・・・。

 

実は、褐色脂肪細胞は皮膚の温度が下がっただけでも活性化します。

運動で体温が上がるのは深部体温で、表面の皮膚の温度は上がりません。

 

そして、散歩によるウォーキングのメリットは、

  • 心肺機能向上:歩くことで心筋が鍛えられ、より多くの血液を送り出すことができる。これにより心臓の脈拍回数が下がり、心臓の負担が軽減される。また、負荷が軽い運動なので、自分の体力や体調に合わせて調節がしやすい。
  • 血行促進効果・血圧を下げる:ふくらはぎは「第2の心臓」と呼ばれ大事な筋肉。ウォーキングでこの筋肉を刺激することで血流がよくなり、血管の健康を保つ、冷え性やむくみの改善にも効果的。また、運動は血液中のブラジキニンの濃度を高め、これが血管を拡張することによって血圧を下げる。
  • 骨を丈夫にする:歩くことで骨に適度な負荷がかかり、骨細胞の働きが活発になって骨の強度が増す。また、日光を浴びることでビタミンDが体内で作られ、これが骨量の増加につながる。
  • リラックス・気分転換:日光を浴びると、体内でセロトニンが分泌される。セロトニンはストレスに対して効能のある脳内神経物質の一つ。精神の安定にも関わり、気分も前向きになる。

があげられます。

 

散歩は優秀な有酸素運動で、これに寒さによる刺激で褐色脂肪細胞が活性化されることで+αのダイエット効果が期待できるでしょう。

 

ただし、これも時季が限定的ですし、2時間の散歩はハードルが高い。(^_^;)

しかし、ウォーキングはダイエットにとって優秀な有酸素運動なので取り入れたいところ。

水泳

水泳は、褐色脂肪細胞を活性化させる方法として一番効果が期待できます。

なぜなら、全身の皮膚が水に触れることで表面温度が水中の温度まで下がり、褐色脂肪細胞が活性化されるからです。

 

水泳は他の運動と比べて、褐色脂肪細胞が活性化されることがわかっています。

 

また、水泳のメリットは、

  • 全身の筋力アップ:水泳は水圧により体に負荷がかかる。日常生活では受けることのない水の抵抗に対して全身を使って体を動かすため、普段使っていない筋肉が鍛えられる。全身の筋肉がバランスよく鍛えられ美しくメリハリのあるボディが手に入る。
  • 心肺機能向上:水圧に対し全身を使って泳ぐことで心筋が鍛えられ、より多くの血液を送り出すことができる。これにより心臓の脈拍回数が下がり、心臓の負担が軽減される。また、胸に水圧がかかり圧迫されると、横隔膜が押しあげられて肺が小さくなり、呼吸筋が鍛えられ心肺機能が向上する。
  • 血行促進効果・血圧を下げる:水中で立つと下半身により多くの水圧がかかることになり、地上にいるよりも体の末端から心臓に戻る血液の流れがスムーズになる。また、運動は血液中のブラジキニンの濃度を高め、これが血管を拡張することによって血圧を下げる。
  • カロリーが消費されやすい:約100kcalを消費するのにウォーキングでは約40分かかるのに対し、水泳なら3分ですむといわれている。水温は体温よりも低いため、水中で体温を保持するためにも脂肪を燃焼させて熱を作り出す必要がある。
  • リラックス効果:水に浮かぶと全身の力を抜くことができリラックスできる。また、水圧によるマッサージ効果は凝り固まった体をほぐしてくれる。さらに、胸とお腹にかかる水圧のため肺周りの呼吸筋が鍛えられ、深い呼吸もできるようになる。

があげられます。

 

ただ、これもプールに通わなければならないのでちょっとハードルが高い。(^_^;)

しかし、カロリー消費効率の高い水泳はダイエットとして優秀です。

カプサイシン(唐辛子)

これまで、「寒いところにいる・肌寒い時季の散歩・水泳」ととりあげてきました。

やはり、ネックになっているのは「2時間」という長い時間。

これをを毎日繰り返すとなると、なかなかハードルが高い話です。

 

そこで、ご紹介したいのがカプサイシンです。

カプサイシンとは、唐辛子の辛味となっている成分です。

 

上記でご紹介した研究「ヒトにおける抗肥満剤としての採用された褐色脂肪組織(2013年7月)」では、寒さによる刺激と同様にカプサイシンについても調べてくれています。

 

それによると、カプサイシンを6週間毎日摂取すると、寒さによる刺激と同様にエネルギー消費量が増加したとのことです。

そして、カプサイシンは褐色脂肪細胞の働きが低下している人でも活性化することができ、それによる体脂肪の減少に貢献できると結論づけています。

 

寒さによる刺激が褐色脂肪細胞を活性化させる流れを追いかけてみると、

  1. 寒さによる刺激を受ける
  2. 細胞膜に存在するTRP(Transient Receptor Potential)チャネルという温度を感じるセンサーが働く
  3. 交感神経が活性化される
  4. 褐色脂肪細胞がやる気をだす
  5. 褐色脂肪細胞にあるUCP-1の発現が増える
  6. UCP-1が脂肪を燃やし熱を発生させる(体脂肪の消費)

という流れになっています。

 

で、カプサイシンは上記の流れの「①寒さによる刺激を受ける」が「①辛さによる刺激を受ける」に変わり、後の流れは同じになるということのようです。

これにより、カプサイシンは寒さによる刺激と同じように褐色脂肪細胞を活性化させます。

 

ただし、カプサイシンの摂りすぎは「なみだ目(流涙症)、鼻がたれる(鼻漏)」につながります。

子どもでは「粘膜の炎症、吐き気、嘔吐、排尿障害、胃食道逆流症、高血圧」と健康被害につながるので注意しましょう。

 

辛いものが得意な人は、上記を注意して試してみるのもよいかもしれません。

よく噛んで食べる

そして、僕が一番オススメしたいのが「よく噛んで食べる」です。

これが、一番現実的なんじゃないかと思います。

 

「よく噛んで食べる」も褐色脂肪細胞を活性化させます。

 

その流れを具体的にすると、

  1. よく噛んで食べる
  2. 咀嚼の刺激が脳に伝わる
  3. ヒスタミン・ニューロンのスイッチが入り交感神経を刺激する
  4. 褐色脂肪細胞がやる気をだす
  5. 褐色脂肪細胞にあるUCP-1の発現が増える
  6. UCP-1が脂肪を燃やし熱を発生させる(体脂肪の消費)

です。

参考:よく噛み、健やかに生きる(2003年8月)

 

この流れで褐色脂肪細胞が活性化し、体脂肪が消費されます。

 

よく噛んで食べることは、

  • 血糖値が上昇し満腹感が得られることで食欲がおさえられる
  • 白色脂肪細胞において脂肪の分解が促され、脂肪の合成もおさえられる
  • 褐色脂肪細胞が活性化されることでエネルギーが消費される

といった3つのメリットが得られます。

 

まさに一石三鳥の「よく噛んで食べる」。

 

これなら、毎日2時間寒いところにいる必要もなく、毎日プールに通う必要もなくなります。

そして、誰でも意識さえすれば簡単にできることです。

 

「よく噛んで食べる」とは、ダイエットにおいて非常に重要なことであるといえるでしょう。

肩甲骨ストレッチ?

よく、肩甲骨をストレッチすると褐色脂肪細胞が刺激され活性化されるという話を耳にします。

 

たしかに褐色脂肪細胞は肩甲骨まわりに多く存在しています。

だから、そこを刺激すれば褐色脂肪細胞が活性化されるという発想になるのだと思います。

 

しかし、どこを探しても肩甲骨をストレッチして褐色脂肪細胞が活性化されるという研究が見つかりませんでした。

 

よって、この話は「?」です。

 

また、褐色脂肪細胞が活性化するのは寒さによる刺激と、カプサイシンなどの辛さの刺激、よく噛んで食べることによる咀嚼刺激によってになります。

このことを考えると、ストレッチでは何も反応は起こらないのでは?と思ってます。

 

以上、褐色脂肪細胞を活性化させる方法についてみてきました。

 

褐色脂肪細胞とは、脂肪を燃焼し熱を生み出す細胞のことです。

 

そして、上記の方法を日常生活に取り入れることで、

”褐色脂肪細胞を活性化させ「やせ体質」を手に入れる”

ことができます。

まとめ

最後にもう一度内容を確認しましょう。

  • 痩せる細胞とは、褐色脂肪細胞のことです
  • 褐色脂肪細胞は後頭部、肩甲骨の間、鎖骨、脇、心臓の周囲、腎臓の周囲といった限られた場所にのみ存在します
  • 褐色脂肪細胞は脂肪を消費する働きがあります
  • 褐色脂肪細胞は赤ちゃんのときをピークに成長期に入ると少しずつ減少していきます
  • 褐色脂肪細胞は、体を寒さから守るといった大切な役割を担っています
  • 寒さにさらされることで褐色脂肪細胞は活性化します
  • 上記の「褐色脂肪細胞を活性化する方法」で「やせ体質」を手に入れることができます

 

以上により、

  • 褐色脂肪細胞について詳しくなる
  • 褐色脂肪細胞を活性化させ「やせ体質」を手に入れる方法がわかる

ようになったと思います。

 

今回のお話はここまでです。

ここまでお読みいただきありがとうがざいました。

それではまた♪

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