【太る細胞】人はどうやって太るのか?健康美に必須知識の脂肪細胞

太る細胞?

人はどうやって太っていくの?

 

こんにちは、おっちーです。

 

あなたは太る細胞の存在を知っていますでしょうか?

そして、人はどうやって太るのか具体的なところわかりますか?

 

もし、知らないのであればこの記事を読んで知識を得ていただければと思います。

 

この記事を読めば、太る細胞から人はどうやって太るのかがわかります。

これは、脂肪が蓄えられる仕組みを理解するための知識となります。

 

ダイエットは、脂肪を減らすことが目的です。

 

脂肪が蓄えられる仕組みを理解することができれば、

脂肪を減らすために

  • 何が重要か?
  • どうすればよいのか?

が、具体的にわかるようになります。

 

今回の記事では、「太る細胞=脂肪細胞」について詳しく解説します。

 

この記事を読み終えると、「太る細胞=脂肪細胞」について詳しくなるでしょう。

そして、脂肪が蓄えられる仕組みの概要を理解することができるでしょう。

※また、脂肪細胞はメタボリックシンドロームやアンチエイジングにおいて重要なアディポサイトカインを理解するための前提知識となります。

 

それでは詳しくみていきましょう!

太る細胞って何?脂肪細胞とは

人の脂肪組織を作る脂肪細胞には、白色脂肪細胞褐色脂肪細胞の2種類があります。

で、太る細胞とは白色脂肪細胞のことです。

そして、この白色脂肪細胞に脂肪(中性脂肪)が蓄えられると人は太るのです。

※褐色脂肪細胞については次回取り扱う予定です。

 

脂肪を語るうえで欠かせないのが白色脂肪細胞という細胞です。

一般的に脂肪細胞と言われるのはこの白色脂肪細胞のことです。

白色脂肪細胞
白色脂肪細胞

成人の白色脂肪細胞は、約300億〜600億個あるといわれています。

全身のあらゆるところにあり、とくに下腹部、お尻、太もも、背中、二の腕、内蔵の周りなどに多く存在しています。

 

白色脂肪細胞は、食事によって過剰となった中性脂肪やグルコース(ブドウ糖)を取り込み、エネルギーとして蓄えていきます。

※グルコース(ブドウ糖)は、白色脂肪細胞にインスリンによって取り込まれた後、「解糖系→TCA回路(クエン酸回路)→脂肪酸合成」を経由して中性脂肪に変えられます。

 

脂肪(中性脂肪)を蓄えた白色脂肪細胞は、上記の図のように球体に膨らみ、見た目はイクラのようになります。

 

体脂肪とは、白色脂肪細胞に蓄えられた脂肪(中性脂肪)のことを指します。

 

成人の普通体重の人は、この白色脂肪細胞のサイズは直径約80μm(マイクロメートル)であるといわれています。

これが食べすぎによりエネルギー過剰になると、この白色脂肪細胞はどんどん膨らみ最終的には直径約130μm(マイクロメートル)にまで達するとのことです。

※白色脂肪細胞が最大まで達すると1μgの脂肪(中性脂肪)が蓄えられると言われています。

 

その直径の大きさは、普通体重と比べて約1.6倍の大きさ。

※130μ÷80μm=1.625

体積に換算(1.6倍の三乗)すると、およそ4倍の違いがあります。

 

この脂肪細胞が膨らむサイズには限界があります。

限界をむかえ、そこで脂肪(中性脂肪)の蓄積が止まると思いきや・・・。

 

なんと、限界を迎えた白色脂肪細胞は分裂するのです!

そして、分裂した白色脂肪細胞によって脂肪(中性脂肪)は蓄え続けられます。

 

下記の図は、肥満が進行していくステージ(左→右)を表したものです。

肥満の新しい細胞生物学的分類(案)
出典:脂肪細胞の増殖(肥満の科学)
  • 第一ステージでは、白色脂肪細胞が最大限まで肥大化「肥大優勢型」【BMI27〜30】
  • 第二ステージでは、白色脂肪細胞が分裂を始める「肥大・増殖型」【BMI30〜40】
  • 第三ステージでは、分裂した白色脂肪細胞の肥大化が優勢「増殖優勢型」【BMI40以上】

 

つまり、理論上エネルギーの貯蔵は無尽蔵。

限界を知りません。

※さすがに人としての限界はあります。しかし、その時は生きていられないでしょう。

 

細胞を分裂させてまでエネルギーを蓄え続ける。

これは、飢餓を生き抜くためのとても優れた仕組みです。

※現代は飢餓の心配がなく、この機能がマイナスになっていることも

【参考】脂肪の役割

現代において脂肪は悪者にされがち。

しかし、脂肪は我々人間が生きていく上で必要不可欠なものなんです。

  • 生命を維持するエネルギーの貯蔵庫:人を含めた動物は長い進化の過程で絶えず飢えの危険にさらされてきた。余分なエネルギーを摂取した時にはそれを脂肪の形で蓄積し、飢餓の際にはそれを利用することで生き延びる仕組みを獲得した。
  • 寒さから身を守る(体温保持):人の体温を維持する能力も長い進化の過程で環境温度の変化を経験することで獲得した。秋になり朝夕の温度が低下すると自然と食欲が増し、たくさん食べる。これにより皮下脂肪(断熱材)が厚くなり冬の寒さに耐えやすくなる。
  • 外部からの衝撃を緩和し内臓を守る(クッション):外部からの物理的衝撃を吸収することで重要な内臓を保護する。また、女性は妊娠時に赤ちゃんを外部からの衝撃から守る。体脂肪率が高めの人が6mから落下しても軽傷で済んだという話もある。(参照
  • 内蔵の位置を保つ:内臓脂肪は内臓を囲んで臓器間のクッションとなったり、大きく動かないように固定する。影響を受けやすいのは胃腸で、胃腸の位置がずれたりすると形が変わり自律神経が乱れ調子を崩すなど悪循環に陥る。
  • ホルモンなどの生理活性物質の生成・分泌:脂肪を取り込んだ白色脂肪細胞は女性ホルモンのエストロゲンを生成したり、食欲をおさえるレプチン、炎症と動脈硬化とインスリン抵抗性を改善するアディポネクチンといったアディポサイトカインを分泌する。

など、さまざまな働きがあります。

※脂肪がなければ人は死んでしまいます。

一度できた脂肪細胞は減らない!?

この肥満の原因となる白色脂肪細胞。

胎児期(妊娠後期)、乳児期、思春期にとくに増えます。

この時期に食べすぎ、運動不足により過剰エネルギーを繰り返していると白色脂肪細胞が増え、太りやすい体質になってしまいます。

 

少し前まで白色脂肪細胞は、上記の時期にしか増加せず、その時期に生涯の数が決定すると考えられていました。

ところが近年の研究によって、成人であっても過剰に食べ過ぎれば白色脂肪細胞は分裂し増えることがわかりました。

 

成人の白色脂肪細胞は、約300億〜600億個あるといわれています。

それに比べ肥満者は約800億個にもなるといわれています。

※白色脂肪細胞が600億個ということは、体脂肪率30%である場合、人の細胞の約60兆個のうち1%の白色脂肪細胞が全体の30%を占めているということです。その大きさを計り知ることができますね♪

 

そして、悲しいことに一度増えた白色脂肪細胞はなかなか減りません。

 

分裂してできた白色脂肪細胞は、過剰エネルギーを脂肪(中性脂肪)として取り込みます。

で、エネルギーが必要になったときに、自らの脂肪を分解してグリセロールを全身に供給します。

※中性脂肪がグリセロール→ピルビン酸となり、TCA回路(クエン酸回路)→解糖系と逆行し、グルコース(ブドウ糖)を作る。

ダイエット学

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この時、白色脂肪細胞はエネルギーを供給しつくしたとしても死滅するわけではありません。

前駆細胞という細胞の赤ちゃんの状態に戻るだけです。

 

そして、再びエネルギーが過剰になったら前駆細胞から白色脂肪細胞へ復活し、脂肪(中性脂肪)を取り込みます。

 

その寿命は約10年であるとのことです。

短期的に見て、食事制限や運動を頑張っても白色脂肪細胞は減らないといってよいでしょう。

※10年という長期的スパンでみれば白色脂肪細胞は減るということです。しかし、10年後の体型をいま考えることはなかなか難しいと思います。

参考:肥満に関係するだけじゃない!?脂肪細胞の正体

【参考】白色脂肪細胞を減らすには?

白色脂肪細胞を減らすことって本当に難しいのでしょうか?

僕が調べた範囲で、現状わかるところを紹介します。

しかし、これは外科手術的なところ、かつ、高額で効果も限定的になるのであまりオススメしません。

  • 脂肪吸引:皮下脂肪を特殊な吸引管で取り除く手術。脂肪を減らす方法として主流になっている。メリットは短期間でやせれること。また、顔や二の腕、太もも、お腹など指定した箇所の白色脂肪細胞を吸引することで「部分やせ」ができることもメリット。しかし、デメリットとして施術者の腕により凸凹になったり、下手すれば死亡事故につながる。
  • 脂肪溶解注射:薬剤で脂肪を溶かして体外に排出する施術。皮下脂肪に直接注射することで脂肪(中性脂肪)が溶解する。溶け出した脂肪(中性脂肪)は血管を通り、そのまま汗や尿などと一緒に体外に排出される。「部分やせ」できることがメリット。しかし、あくまで脂肪(中性脂肪)を溶かすものであり白色脂肪細胞そのものの数は減ることはない。
  • 脂肪冷却治療:白色脂肪細胞を冷やし細胞死を引き起こすことで体外に排出する施術。ゆっくりと時間をかけて白色脂肪細胞を減らすので、痛みが少なく自然にやせた身体を手に入れることができる。「部分やせ」できることもメリット。白色脂肪細胞が減るのでリバウンドが少ないと言われるが、過剰に食べれば普通に白色脂肪細胞は分裂して増殖するのでリバウンドはすると思われる。
  • 加熱治療:ヴァンキッシュというRF(ラジオ波)によって、ターゲットの白色脂肪細胞を加熱し死滅させる。痛みがまったくなく「部分やせ」できることがメリット。こちらも白色脂肪細胞が減るのでリバウンドしないとうたわれているが、食べれば普通に白色脂肪細胞は分裂してふえるのでリバウンドはすると思われる。

 

やせるために白色脂肪細胞を減らす必要はありません。

”溜まったエネルギーを使ってあげれば、白色脂肪細胞は小さくなりやせることができます。”

 

そして、強制的に白色脂肪細胞を減らしたとしても、食べ過ぎれば再び分裂して増えるので高いお金を払う価値はあるのか疑問が残ります。

それより、生活習慣を整える方が安くて安全で確実だと思います。

 

以上、白色脂肪細胞についてお話しました。

 

大切なことは、

  • 太る細胞とは白色脂肪細胞のこと。
  • 白色脂肪細胞が脂肪(中性脂肪)を蓄えることで人は太る。

です。

 

そして、一度脂肪細胞が増えるとなかなか減ることはありません。

しかし、「摂取エネルギー<消費エネルギー=やせる」

この基本を守ってさえいれば気にする必要はありません。

まとめ

最後にもう一度内容を確認しましょう。

  • 太る細胞=白色脂肪細胞
  • 白色脂肪細胞に脂肪(中性脂肪)が蓄えられることにより人は太る
  • 白色脂肪細胞は、「下腹部、お尻、太もも、背中、腕の上部、内臓の周り」などに多く存在する
  • 体脂肪とは、白色脂肪細胞に蓄えられた脂肪のこと
  • 白色脂肪細胞は脂肪が蓄えられると最大4倍にまで膨らむ
  • 限界をむかえると白色脂肪細胞は分裂・増殖して脂肪をひたすら蓄え続ける
  • 白色脂肪細胞が増える時期は、胎児期(妊娠後期)、乳児期、思春期にとくに増えるが、成人以降も増えることがわかっている
  • 一度増えた白色脂肪細胞は10年は生き続ける(そうそう減ることはない)
  • 白色脂肪細胞は減らないが、溜まったエネルギーを使ってあげれば小さくなるのでやせることはできる

ということです。

 

以上により、

  • 「太る細胞=脂肪細胞」について詳しくなる
  • 脂肪が蓄えられる仕組みの概要を理解する

ことができたかと思います。

 

今回のお話はここまでです。

それではまた♪

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