こんにちは、おっちーです^^
今回も必ずやせて-10歳の健康美を手に入れるための「ダイエットの基礎知識」を学んでいきます。
前回は「肥満体質の原因」について学びました。
こんにちは、おっちーです^^今回も必ずやせて-10歳の健康美を手に入れるための「ダイエットの基礎知識」を学んでいきます。 前回は「肥満遺伝子」について学びました。[sitecard subtitle[…]
これにより、肥満体質の原因は遺伝でなく環境であることがわかりました。
今回は「セットポイント理論」について学びます。
今回のお話は、脳とかホルモンとか人体の仕組みのところに触れるので難しいお話になると思います。
しかし、ダイエットする上で必須の知識であると僕は思っています。
この「セットポイント理論」を知ってるのと知らないのとでは、ダイエットに対する理解度に雲泥の差がでると思います。
肥満のカラクリの深いところがわかります。
そして、最後まで読めばやせられない理由もきっと理解できるようになるでしょう。
では、結論です。
カラダは肥満から守ってくれている!
です。
それでは詳しくみていきましょう!
セットポイント理論とは?
カラダは肥満から守ってくれている。
その仕組があるとするのが、セットポイント理論です。
成人すると、体重は長期間にわたって安定した水準で保たれます。
この安定した水準がセットポイントであり、カラダはこの水準を常に保つ仕組みがあると、セットポイント理論では主張します。
たとえば、
- 太ってしまった場合、カラダは自動でやせようとする。
- やせてしまった場合、カラダは自動で太ろうとする。
そういう仕組みがあるとします。
このように、その人の適切な体重となるようにカラダが自動で調節してくれる仕組みがあるとするのがセットポイント理論です。
つまり、”本来、人は太らないようにできている”ということ。
この動画は、とても参考になります。
※「設定→字幕→日本語」を選択すると日本語の字幕が表示されます。
そして、この理論を支えるのがホメオスタシス(恒常性)です。
ホメオスタシスとは、外の環境が変化してもカラダを一定に保とうとする仕組みのことです。
気温や気圧など、場所や時間によってさまざまに変化する体外環境ですが、この影響はわたしたち体内の細胞レベルにまで及びます。
わたしたちの生命を支えているのは内蔵の働きがあってこそです。
この内臓の働きは、正常な細胞活動と酵素反応によって支えられています。
この働きを維持するためには体温を36.5度前後でキープしていなければなりません。
外気温によって、体温が激しく前後するようでは内蔵は機能しなくなり、わたしたちは生きていられなくなってしまいます。
そこでカラダは、
- 暑いときは体温を下げるために汗をかく
- 寒いときは体温を上げるために体を震えさせる
といったように、カラダには体温を一定に保つ仕組みが備わっています。
それが、ホメオスタシス(恒常性)です。
セットポイント理論では、このホメオスタシス(恒常性)が体重にも適用されると考えます。
(参考)セットポイント理論の研究あれこれ
下記は、セットポイントを研究している論文の一覧です。
- 体重の調節におけるセットポイント理論の役割(1990年12月)
- 体重の設定値:決定と調整(1997年9月)
- レプチンは異なる神経回路に作用してエネルギーバランスとモチベーションを調節する(2011年4月)
- セットポイント、セトリングポイント、およびいくつかの代替モデル:遺伝子と環境の組み合わせによる体脂肪率の制御を理解するための理論的選択肢(2011年11月)
- 肥満の原因を脳に求める。ヘドニック機構とホメオスタシス機構の統合(2017年5月)
- エネルギー恒常性の破綻と肥満の病態: その周辺概念(2018年11月)
- 肥満や脂肪率に基づく慢性疾患は治るのか: セットポイント理論、環境、第二世代薬物療法(2022年2月)
※すべて英語でとても難しい言い回しなので読むのに苦労します。あくまで参考として置いときます。
これらの研究から、セットポイント理論は有力であると僕は考えています。
どうやってカラダは肥満から守るのか?
では、どうやってカラダは肥満から守っているのでしょうか?
※ここからちょっと難しい話に入ります。
セットポイント理論については、現在も研究が進んでいる状況なのでメカニズムについてはまだ完全に解明できているわけではありません。
※だからセットポイント”理論”なのです。
ただ、わかっていることもあります。
肥満に関連する要因は、
- 食事によるエネルギーの摂取量
- 基礎代謝や生活活動・運動によるエネルギーの消費量
となります。
セットポイントは、これらをコントロールすることにより体重を維持します。
そして、それを行っていると考えられているのが脳の視床下部です。
視床下部の場所を下記の図に示しました。
視床下部は、自律神経や内分泌(ホルモン)の中枢として、脳の中心部に鎮座しています。
そして視床下部は、
- 体温の調節
- 摂食行動の調節
- 代謝の調節
- 体液の調節
- 性周期や生殖行動の調節
- ストレス応答の調節
- 睡眠や覚醒の調節
といった、さまざまな生理機能を調節します。
まさに、本能を司っていると言ってもよいでしょう。
上記で述べたホメオスタシス(恒常性)は、この脳の視床下部の働きによって維持されています。
そして、肥満に関わるものとして注目しておきたいのが、
”摂食行動と代謝の調節を視床下部が担っている”
という点です。
つまり、
- 摂食行動:食事によるエネルギー摂取
- 代謝の調節:基礎代謝や筋肉へのエネルギー供給など、エネルギー消費
に関わるということです。
この辺りの基本的なお話は下記をご参照ください。
こんにちは、おっちーです^^今回も必ずやせて-10歳の健康美を手に入れるための「ダイエットの基礎知識」を学んでいきます。 前回は「カロリーの基礎」というテーマで、カロリーとエネルギーの根本的なお話をしました[…]
視床下部は、カラダから分泌されるホルモンによって作用します。
カラダが肥満から守る流れをざっくり言うと、
- カラダは肥満にならないようにホルモン(レプチン)を分泌
- 分泌されたホルモン(レプチン)は脳の視床下部にスイッチをいれる
- 視床下部によって「摂食行動の調節」「代謝の調節」が促される
と、こんな感じです。
もう少し詳しく見ていきます。
※ムズいっすよねぇ、大事なのでなんとかついてきてもらいたい・・・
セットポイントのメカニズム「レプチン」
セットポイントのメカニズムを語る上で外せないのがレプチンというホルモンです。
セットポイント理論では、このレプチンがセットポイントの体重となるように調節を行っていると考えています。
レプチンは、主に脂肪細胞から分泌され、「摂食行動の調節=食欲」と「代謝の調節=エネルギー消費」に関わるホルモンです。
食欲のコントロール
「お腹が空いた、なんか食べよ♪」は、視床下部の摂食中枢の作用で湧く感覚です。
「もうお腹いっぱい、なんもいらないや」は、視床下部の満腹中枢の作用で湧く感覚です。
で、視床下部の満腹中枢を作用させるのがレプチンです。
※ちなみに視床下部の摂食中枢「腹へった」を作用させるのが胃から分泌されるグレリンです。
※最近は、「摂食中枢」「満腹中枢」と分けて呼ばず「摂食中枢」一本で呼ばれてるみたいです。ここではわかりやすくするため分けて表現しています。
脂肪が、脂肪細胞に過剰に蓄積されるとレプチンの分泌量が増えます。
そして、強力な飽食シグナル「お腹いっぱい」を脳の視床下部へ伝えて食欲を抑制します。
反対に、レプチンが分泌されなければ「お腹いっぱい」が脳の視床下部に伝わらず食欲は促進されたままとなります。
代謝のコントロール
代謝とは、簡単に言うとカラダの中で起こる化学反応やエネルギー変換のことです。
カラダは精密な化学工場であり、さまざまな栄養素を自ら作り出します。
そして、食事で摂取した「糖質、タンパク質、脂質」から、「グルコース(ブドウ糖)→エネルギー通貨のATP(アデノシン三リン酸)」を作り出し、そこからエネルギーを得ることで生命を維持しています。
この辺りのお話は下記をご参照ください。
こんにちは、おっちーです^^今回も必ずやせて-10歳の健康美を手に入れるための「ダイエットの基礎知識」を学んでいきます。 前回は「飽食の時代」というテーマで、日本食から欧米食に変化したことにより、わたしたち[…]
脂肪は、摂取したエネルギーに対して消費するエネルギーが少なくなることで蓄積されます。
何度もいうように「摂取エネルギー>消費エネルギー=太る」が基本です。
そして、消費エネルギーの60〜70%を占めるのが基礎代謝です。
こんにちは、おっちーです^^今回も必ずやせて-10歳の健康美を手に入れるための「ダイエットの基礎知識」を学んでいきます。 前回は「なぜ太る?」というテーマで、基本的な肥満のメカニズムについて学びました。[…]
この基礎代謝が高ければ、エネルギー消費量が増え、脂肪は蓄積されなくなります。
レプチンは、脳の視床下部に作用して交感神経を活性化します。
交感神経は、興奮の刺激を全身に伝える神経です。
交感神経が活性化されると、全身の活動レベルが上がり基礎代謝が高まります。
※代謝調節、食欲に関わることからレプチンは抗肥満ホルモン(やせホルモン)としてその名を轟かせています。
- ある基準から太る:脂肪細胞に脂肪が蓄積されるのでレプチンが分泌され、脳に「もう食べ物はいりません」と伝えて食欲を抑制する。そして、交感神経を活性化させて基礎代謝を高める。これにより太るのを止める。
- ある基準からやせる:脂肪細胞に脂肪が蓄積されないのでレプチンが分泌されず、脳に「もう食べ物はいりません」が伝わらず食欲は活性化されたまま。そして、交感神経も活性化されないので基礎代謝は下がったまま。これにより「やせ」から太る方向へ進む。
このように、レプチンがセットポイントのメカニズムを支えていると考えられています。
このレプチンの働きが、わたしたちを肥満から守ってくれているのです。
にも関わらず、なぜ肥満者が激増しているのか?
しかし、このレプチン。
正常に働いていればとっても頼りになる存在なのですが。。。
あまりにもカラダに負担をかけすぎると、限界を超えてしまいます。
「燃えたよ・・・真っ白に・・・燃え尽きた・・・真っ白な灰に・・・」
レ、レプチーーーーン!!!😭
こうなると、もう大変。
レプチンが効きにくくなってしまいます。
※「完」ではない!立つんだレプチン!!
すると、食欲のブレーキが効かず基礎代謝も下がるので、ひたすら太ることになります。
これを、レプチン抵抗性とよびます。
よく、肥満の人がめっちゃ食べるのは、このレプチン抵抗性が理由だと思われます。
食べても食べても食欲がとまらないのはレプチン(ブレーキ)の効きが悪くなっているから。
つまり、一度走り出したら止まらない暴走列車のようなものです。
レプチンは脂肪細胞から放出されるホルモンで、脳内の摂食中枢に作用して強力に摂食行動を抑制します。
脂肪が増えるにしたがってレプチンの放出量が増えるため、レプチンは適正な体重の維持に働いていると考えられています。
しかしながら、肥満状態の人の摂食は必ずしも抑制されていません。
その理由は、レプチンが効きにくくなる、「レプチン抵抗性」と呼ばれる現象が起こるからです。
レプチン抵抗性が生じるメカニズムはよく分かっておらず、その治療法も見つかっておりません。
今回、基礎生物学研究所・統合神経生物学研究部門の新谷隆史准教授、東覚大学院生、及び野田昌晴教授らは、PTPRJという酵素分子がレプチンの受容体の活性化を抑制していることを発見しました。
肥満にともなって摂食中枢でPTPRJの発現が増えること、そのためにレプチンが効きにくくなり、これがレプチン抵抗性の要因となっていることを明らかにしました。
”肥満の人は見た目はいくら肥えていても、脳のなかは常に飢餓状態”
こ、これはツライ・・・。
そして、代謝が低下しカラダは節約モードに入っている。。。
だから、やせるのって難しい
ってことなんですね♪(イヤ、ちっとも嬉しくない・・・)
まとめ
以上、「セットポイント理論」について学んできました。
確かに、セットポイントというものがあり、
カラダは肥満から守ってくれている!
ということがわかりました。
視床下部、レプチンといった難しいお話をしてしまいましたが、肥満のカラクリの深いところがわかっていただけたと思います。
このお話が理解できれば、ダイエットに対する理解度はかなりのものだと思います。
そして、やせられない理由も具体的に見えたかと思います。
簡単におさらいすると、
- 本来、人間はスリムな体型を維持するようにできている。
- セットポイントによって、その人のあるべき体重となるようにカラダはコントロールしてくれている。
- しかし、何らかの理由でこの調整システムが壊れ、コントロールを失い人は肥満になる。
ということです。
今回はここまでです。
次回は、このセットポイントを狂わす原因を追求したいと思います。
狂ったセットポイントを戻すことができるのか?
問題を解決するには、原因を知ることが大切になります。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
それではまた♪