たんぱく質の美容効果ってなに?
なぜ?たんぱく質が必要なの?
こんにちは、おっちーです(^^)
ダイエットをしていると、「たんぱく質が大事だよ!」ってよく耳にすると思います。
なぜ、たんぱく質が大事なのでしょうか?
それは、たんぱく質が美容を支える重要な栄養素だからです。
では、たんぱく質にはどんな美容効果があるのでしょうか?
これをハッキリさせるために、論文を12本熟読し徹底的にインプットしました。
この記事では、
- なぜたんぱく質が必要なのか?
- たんぱく質の美容効果
- たんぱく質の摂取量、オススメのたんぱく源、摂取タイミング
について解説しています。
これを読み終えれば、あなたはたんぱく質の必要性と美容効果について理解することができるでしょう。
また、たんぱく質の摂取量やオススメのたんぱくタンパク源、摂取タイミングについてもご理解いただけると思います。
それではいってみましょう!(๑•̀ㅂ•́)و✧
なぜたんぱく質が必要なのか?
なぜ、たんぱく質が必要なのでしょうか?
それは、必ずやせて-10歳の健康美にとって必須の栄養素だからです。
そして、タンパク質の美容効果は、
・筋肉による美しいボディライン
・ツヤのある美肌
・美しい髪
・バッチリ痩せる
の4つです。
なぜなら、たんぱく質は美容のベースとなる「筋肉、肌、髪」をつくるからです。
たんぱく質の基本的なお話
たんぱく質の美容効果のお話の前に、まずはたんぱく質の基本的なお話をおさえていただければと思います。
たんぱく質とは、炭水化物、脂質と並ぶ三大栄養素の一つです。
人の体は、
- 水分:50〜60%
- 脂肪:15〜25%
- たんぱく質:15〜20%
- ミネラル:5〜6%
- 糖質他:1%未満
で構成されています。
たんぱく質は20種類のアミノ酸からなり、様々な配列によって組み立てられています。
たんぱく質(20種類のアミノ酸)には、
- 筋肉・骨・肌(皮膚)・髪・爪・臓器・血液をつくる
- 酵素として代謝を調節する
- ホルモンとして生理作用を調節する
- 神経伝達物質の材料となる
- エネルギーとして利用される
- サイトカイン(生理活性物質)として免疫機能を調節し病気にならないようにする
といった重要な働きを持っています。
※たんぱく質は生きる上で必須の栄養素です。
たんぱく質を構成するアミノ酸には、下記のとおり必須アミノ酸と非必須アミノ酸があります。
- 必須アミノ酸:ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、リジン、スレオニン、トリプトファン、フェニルアラニン、ヒスチジン
- 非必須アミノ酸:グルタミン酸、グルタミン、アルギニン、チロシン、アラニン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、システイン、プロリン、グリシン
※ロイシン、イソロイシン、バリンは分岐鎖アミノ酸(BCAA)と呼ばれ、筋肉にとって非常に重要なアミノ酸です。
非必須アミノ酸は体内で合成することができます。
一方、必須アミノ酸は体内で合成することができないため食事から摂取しなければなりません。
そして、必須アミノ酸(たんぱく質)が不足すると、
- 筋力が低下する
- 疲れやすくなる
- 睡眠の質が悪くなる
- 集中力が低下する
- 貧血や冷え性に
- 免疫機能が低下する(病気にかかりやすくなる)
など、体調を崩します。
そして、美容面では
- 筋肉が衰えボディラインが崩れる
- 皮膚トラブルに見舞われる
- 薄毛につながる
- 基礎代謝が低下し太りやすくなる
など、残念な結果に見舞われます。
必ずやせて-10歳の健康美を実現するにはたんぱく質は必須といえるでしょう。
たんぱく質の美容効果は4つ!
では、たんぱく質の美容効果について解説していきます。
たんぱく質の美容効果は、
・筋肉による美しいボディライン
・ツヤのある美肌
・美しい髪
・バッチリ痩せる
の4つです。
筋肉による美しいボディライン
すでにご存知かと思われますが、たんぱく質は筋肉にとって必要不可欠なものです。
- くびれのあるウエスト
- うっすら縦ラインが入ったお腹
- ツンと上向きのバスト
- キュッと上がったお尻
- ムダ肉のない背中
- スリムな二の腕
- たるまない太もも
- 引き締まったふくらはぎと足首
これらは筋肉があるからこそ実現できるのです。
で、筋肉をつける上で重要なたんぱく質。
下記の研究では、筋トレしなくてもたんぱく質を摂るだけで筋肉が増加すると報告しています。
参考:タンパク質摂取と筋肉量増加の用量反応関係:無作為化対照試験の系統的レビューとメタ解析(2020年11月)
【背景】
筋肉は健康維持に不可欠であるが、筋肉を増加させるためのタンパク質介入の有効性に関するコンセンサスは得られていない。
【目的】
このメタ解析の目的は、筋肉に対するたんぱく質摂取の効果を評価することであった。
【結果】
105の論文から合計5,402人の研究参加者がメタ解析に含まれた。
1日のたんぱく質を体重1kgあたり0.1g増やすと、2〜3ヶ月で約0.39kgの筋肉の増加が見込まれる。
しかし、1日のたんぱく質が体重1kgあたり1.3gを超えると筋肉の増加効果は極端に減る。
だが、筋トレを追加すれば1日のたんぱく質が体重1kgあたり1.3gを超えても増加効果は減らない。
※メタ解析とは、いくつもの研究をひとまとめにして精査し結論を導くもので、その結果は非常に信頼性の高いものとなっています。
1日のたんぱく質が体重1kgあたり0.1gというのは、例えば50kgの体重の場合、「50kg×0.1g=5g」になります。
体重が50kgの人の場合、1日のたんぱく質を現状に+5gするだけで、2〜3ヶ月で0.39kgの筋肉の増加が見込まれます。
※ちなみに日本人の1日あたりの最低たんぱく質量は「0.66g/kg」です。体重50kgの人であれば33gですね。【厚生労働省】日本人の食事摂取基準(2020年版)
5gというのは、卵1個(6.2g)分や牛乳1杯(200mlで6.8g)分なので、通常の食事にこれらを追加するだけ。
それだけで筋肉が増える。
それほど難しい話ではないのではないでしょうか。
ただし、たんぱく質のみの筋肉増量効果は「1.3g/kg」まで。
これ以上、たんぱく質を摂取しても筋肉の増加はあまり見込まれません。
※体重50kgの人は、1日「50kg×1.3g=65g」のたんぱく質までは筋肉増加が見込まれます。
1日のたんぱく質摂取量の目安として「1.0〜1.3g/kg」は摂りたいところです。
しかし、筋トレをするなら話は別。
筋トレを追加した場合、1日のたんぱく質摂取量が「1.3g/kg」を超えても筋肉増加効果は続きます。
本格的にボディメイクをしている人ならば、「1.3〜2.5g/kg」もアリだと思います。
以上、たんぱく質は筋肉を増加させ美しいボディラインを作ります。
その他、たんぱく質が筋肉を増やすとする研究は下記でも報告されています。
参考:健康な成人における筋肉量と機能をサポートするためのたんぱく質摂取に関する系統的レビューとメタアナリシス(2022年4月)
ツヤのある美肌
タンパク質は、ツヤのある美肌をつくります。
- みずみずしい肌
- なめらかな肌
- 弾力やハリのある肌
- 血色がよくツヤのある肌
これらはすべてたんぱく質が支えています。
皮膚や腱・軟骨を構成する繊維状のたんぱく質にコラーゲンがあります。
コラーゲンは人のたんぱく質の約30%を占め、肌の元となる真皮(しんぴ)の主成分です。
肌のハリや弾力は、真皮のコラーゲンが十分足りているからこそ維持されるもの。
ちなみにコラーゲンは非必須アミノ酸の「グリシン」と「プロリン」、プロリンから作られる「ヒドロキシプロリン」という3つの成分から成り立っています。
参考:皮膚保護のためのコラーゲン加水分解物。経口投与と局所製剤化(2020年2月)
コラーゲンが不足するとシワ・たるみ・ざらざらした質感など老化現象が現れます。
参考:肌の老化と闘う。ベンチからベッドサイドへの道(2018年5月)
老化は、できるだけ遅らせたいと考えるのが人というもの。
で、これを防ぐために「直接コラーゲンを飲めばいいんじゃね?」と考える人が後をたちませんでした。
しかし、残念ながらコラーゲンを摂取しても消化の過程でアミノ酸に分解されて、それがそのままコラーゲンになるわけではないから無意味!
と、言われ続けていました。
ですが・・・。
最近の研究では「いやいや、そうはいっても結果でてるし」ということがわかっております。
参考:加水分解コラーゲン補給の皮膚老化に対する効果:系統的レビューとメタ解析(2021年12月)
寿命の延びにより、若年層でも肌の老化が懸念されるようになってきた。
このような背景から、近年、サプリメントとしての栄養補助食品の利用が増加している。
さらに、加水分解コラーゲンのサプリメントが皮膚の老化の兆候の改善に有効であることが、多くの科学的研究によって示されている。
本研究の目的は、加水分解コラーゲン補給のヒト皮膚への効果に関するエビデンスを、系統的レビューに続いて、皮膚の老化プロセスに焦点を当てた臨床試験のメタアナリシスを通じて要約することであった。
データベースから論文を検索した結果、19の研究が選択され、20歳から70歳の合計1,125人の参加者(95%が女性)がいた。
メタ解析では、研究をグループ分けして解析した結果、加水分解コラーゲンの補給は、プラセボと比較して、肌の保湿、弾力、シワの点で良好な結果を示した。
また、サブグループメタ解析においても、水分補給と弾力性の改善という知見が確認された。
以上の結果から、加水分解コラーゲンを90日間摂取することは、シワを減らし、肌の弾力性や保湿性を向上させるため、肌の老化を抑制する効果があると考えられる。
※メタ解析とは、いくつもの研究をひとまとめにして精査し結論を導くもので、その結果は非常に信頼性の高いものとなっています。
上記の結果から、加水分解コラーゲンを90日間摂取すると、シワを減らし、肌の弾力性や保湿性を向上させ老化現象をおさえることがわかりました。
※加水分解コラーゲンとは、牛や豚の骨や革、サケなど魚の皮やうろこを加水分解法という加工によって抽出したコラーゲンのことです。
コラーゲンの主成分は、非必須アミノ酸の「グリシン」と「プロリン」、プロリンから作られる「ヒドロキシプロリン」の3つの成分。
つまり、たんぱく質を摂取すればこれらのアミノ酸が得られてコラーゲンが作られます。
よって、たんぱく質を摂ることはツヤのある美肌が得られるということです。
美しい髪
たんぱく質は美しい髪をつくります。
- ハリやコシのある髪
- 光沢を帯びたきらびやかな髪
- 美しい髪には天使が宿る
それを支えているのがたんぱく質です。
髪の毛は、ほぼケラチンというたんぱく質で構成されており、必須アミノ酸のメチオニンと非必須アミノ酸のシステインより作られます。
ケラチンは、毛髪に連続性と光沢を与えます。
これが不足すると、髪の毛は枝毛となってちぢれたり、ツヤが失われることに。
そして、もう一つ重要なのが必須アミノ酸のリジン。
リジンは、毛髪を皮膚に固定するのに影響を与えることで毛髪の形とボリュームに関わっています。
リジンが食事から十分に供給されないと毛髪はもろく、細く、弱々しくなってしまいます。
参考:更年期の抜け毛に悩む女性のための栄養学(2016年3月)
ケラチン毛髪たんぱく質合成の前駆体である硫黄アミノ酸:システインとメチオニンを含む標準値たんぱく質は、髪を作るための食事のコンディショニングの基本的な要素です。
システインは、ケラチン成分として毛髪に最も多く含まれ(10-17%)、メチオニンの存在に依存して合成される内因性アミノ酸の1つである。
毛髪の成長速度、毛髪径、タンパク質の合成はシステインに依存します。
また、毛髪を皮膚に固定するのに欠かせないのがリジンで、主に毛根の内側に存在し、毛髪の形とボリュームに関与しています。
リジンが食品から十分に供給されないと、毛髪はもろく、細く、しなやかになります。
このことから、美しい髪にはたんぱく質が必須となります。
バッチリ痩せる
たんぱく質を増やすと、バッチリ痩せます。
なぜたんぱく質がダイエットに有効なのかと言うと、
- 食欲がおさえられ1日の総摂取カロリーが減少する(摂取エネルギーダウン↓)
- エネルギーの消費が増える(消費エネルギーアップ↑)
の2つの理由があるからです。
このことは、下記でもふれています。
オイコスのダイエット効果ってなに?オイコスで痩せることはできるの? よくTwitterやってると、ダイエッターさんがオイコスを食べてるのを見かけます。Twitterやってて、よくオイコスを見かける。[…]
ダイエットは、「摂取エネルギー<消費エネルギー=痩せる」が基本。
たんぱく質を増やせば摂取エネルギーがダウンし、消費エネルギーがアップする。
だから、たんぱく質を増やせばバッチリ痩せることができます。
詳しく解説します。
食欲がおさえられ1日の総摂取カロリーが減少する
たんぱく質は、食欲をおさえる効果があります。
下記の研究では、たんぱく質を増やすと1日のカロリー摂取量、体重、体脂肪が減少することを結論づけています。
参考:高たんぱく食は、日中の血漿レプチンおよびグレリン濃度の代償的変化にもかかわらず、食欲、自由摂取カロリーおよび体重の持続的な減少を誘発する(2005年7月)
【背景】
低炭水化物食はカロリー摂取量を減らし、体重を減少させる。
この効果は、低炭水化物食の炭水化物含有量の減少によるものか、あるいはそれに伴うタンパク質摂取量の増加によるものか不明である。
【目的】
食餌の炭水化物含量を維持したままたんぱく質含量を増加させると、食欲と自発的なカロリー摂取量が減少することにより体重が減少するという仮説を検証した。
【方法】
・体重維持食(たんぱく質15%、脂肪35%、炭水化物50%)を2週間、
・等カロリー食(たんぱく質30%、脂肪20%、炭水化物50%)を2週間、
その後、自由食(たんぱく質30%、脂肪20%、炭水化物50%)を12週間、
順次摂取させた19名を対象に食欲、カロリー摂取、体重、脂肪量を測定した。
【結果】
等カロリーの高たんぱく食により満腹感は顕著に増加した。
高たんぱく食では、平均(±)自発エネルギー摂取量は441±63 kcal/d、体重は4.9±0.5 kg、脂肪量は3.7±0.4 kg減少した。
【結論】
炭水化物摂取量が一定であれば、食事タンパク質をエネルギー量の15%から30%に増加させると、中枢神経系のレプチン感受性の上昇を介したと考えられる持続的なカロリー摂取量の減少が生じ、著しい体重減少がもたらされた。
このタンパク質の食欲不振効果は、低炭水化物ダイエットによる体重減少に寄与している可能性がある。
結果、食事のたんぱく質を30%まで増加させると満腹感が増加し、毎日の摂取カロリーが平均441kcal減少しています。
そして、体重は平均4.9kg減少、体脂肪量は平均3.7kg減少したようです。
※この効果は大きい(@_@;)!
どうやら、たんぱく質を増やすと満腹ホルモンであるレプチンの効きがよくなり満腹感が増加するとのこと。
レプチンについてはこちらの記事を参照ください。
セットポイントって何?体重と関係あるの?痩せられるの? こんにちは、おっちーです(^^) 自動で痩せられる仕組みが手に入ったら嬉しいと思いませんか?そう、その鍵を握るのがセットポイ[…]
同様な結果は、下記の研究でも報告されています。
参考:痩せ型人間におけるたんぱく質活用のテスト:無作為化対照実験研究(2011年10月)
参考:健康な正常体重成人における高たんぱく質総菜の置き換えが食事摂取量およびエネルギー恒常性の調節を変化させること(2022年1月)
これらことから、食事にたんぱく質を増やすと食欲がおさえられ総摂取カロリーが減少することがわかりました。
エネルギーの消費が増える
また、高たんぱく質の食事は、エネルギーの消費を増やします。
下記の研究では、高たんぱく質の食事が1日のエネルギー消費量を増やしたと報告しています。
参考:高たんぱく質食摂取後の空腹感、満腹感およびエネルギー消費量について(2018年10月)
高タンパク質の食事は、他の栄養素を多く含む食事と比較して、満腹感を長く持続させることができるため、食事量を減らす可能性がある。
本研究の目的は、健康で正常な体重の参加者コホートにおいて、36時間にわたる食事たんぱく質の操作が、全身のエネルギー消費、空腹感、満腹感にどのように影響するかを説明することである。
8人の健康な参加者(女性5人、男性3人)が、ケンブリッジのNIHR/Clinical Research Facilityで36時間のエネルギー消費量(EE)、空腹感、満腹感を測定した。
空腹感と満腹感は、高たんぱく(HP)食とエネルギーバランス(EB)食の2回の訪問で、視覚的アナログスケール(VAS)により評価された。
エネルギーバランス(EB)食では、たんぱく質15%、脂肪30~35%、炭水化物50~55%を含む食事で構成された。
高たんぱく(HP)食は、タンパク質として30%のエネルギーを含む食事で構成された。
平均してエネルギーバランス(EB)食に比べ高たんぱく(HP)食では空腹感が有意に少なく、エネルギーバランス(EB)食に比べ高たんぱく食では満腹感が有意に多かった。
高たんぱく(HP)食のエネルギー消費量(EE)は、エネルギーバランス(EB)食と比較して有意に高かった(6.07±3.58kJ/min vs 5.81±3.42kJ/min, P < 0.0001)。
上記に基づき一日の食べる量を「例:2,000kcal」とすると、エネルギーバランス食は
- 炭水化物:275g(1100kcal、55%)
- たんぱく質:75g(300kcal、15%)
- 脂質:66.7g(600kcal、30%)
となります。
一方、高たんぱく食は
- 炭水化物:250g(1,000kcal、50%)
- たんぱく質:150g(800kcal、30%)
- 脂質:44.4g(500kcal、20%)
となります。
※計算方法は2000kcalを「炭水化物:500g(100%)、たんぱく質:500g(100%)、脂質:222.2g(100%)をベースに求めています。
エネルギーバランス食だと、毎分5.81kj(キロジュール)のエネルギー消費量となり、高たんぱく食だと、毎分6.07kjのエネルギー消費量となります。
つまり、高たんぱく食のエネルギー消費量は、エネルギーバランス食と比べて1日89.48kcal多く消費されるということです。
※計算式:6.07-5.81=0.26kj、0.26kj×239.006gcal(1kj)=62.14156gcal、62.14156gcal×60min×24h÷1000kcal=89.48kcal/日。
同様な結果は、下記の研究でも示されています。
参考:過食時の体重増加、エネルギー消費量および身体組成に及ぼす食事性たんぱく質含有量の影響:無作為化比較試験(2012年1月)
参考:健康な正常体重成人において、高たんぱく質な総菜の置き換えはエネルギー消費を増加させ、脂肪収支をマイナスに導く(2021年2月)
これらのことから、たんぱく質を増やすとエネルギーの消費が増えることがわかりました。
以上、たんぱく質を増やすと
- 食欲がおさえられ1日の総摂取カロリーが減少する(摂取エネルギーダウン↓)
- エネルギーの消費が増える(消費エネルギーアップ↑)
ことがわかりました。
これにより「摂取エネルギー<消費エネルギー=痩せる」
つまり、たんぱく質を増やせばバッチリ痩せることができます。
たんぱく質のQ&A
以上、たんぱく質の美容効果について解説してまいりました。
では、
- どれぐらいたんぱく質を摂ればいいのか?
- 何からたんぱく質を摂るのがよいのか?
- たんぱく質を摂るタイミングは?
といった疑問がわくと思います。
ここでは、たんぱく質に関する疑問にお答えしたいと思います。
どれくらいたんぱく質を摂ればいいのか?
たんぱく質の1日の摂取量の最低値は「0.66g/kg」です。
これは、厚生労働省による日本人の食事摂取基準で定められています。
※体重50kgの人であれば「50kg×0.66g=33g」です。
しかし、これはあくまで最低値。
美容効果を得るためには「筋肉による美しいボディライン」で説明したとおり、一日あたり「1.0〜1.3g/kg」までは摂りたいところです。
※体重50kgの人であれば「50kg×1.3g=65g」ですね♪
本格的にボディメイクをしている人であれば「1.3g〜2.5/kg」の摂取もアリでしょう。
ただし、たんぱく質の摂りすぎは腎臓への負担が心配です。
しかし、厚生労働省による食事摂取基準によるとたんぱく質が35%を超えない限りは問題ないだろうとしています。
たんぱく質の耐容上限量は、たんぱく質の過剰摂取により生じる健康障害を根拠に設定されなければならない。
最も関連が深いと考えられるのは、腎機能への影響である。
健康な者を対象として、たんぱく質摂取量を変えて腎機能への影響を検討した比較試験のメタ・アナリシスでは、35%エネルギー未満であれば腎機能を低下させることはないだろうと結論している(50)。
また、20%エネルギー以上(又は 1.5 g/kg 体重/日以上又は 100 g/日以上)の高たんぱく質摂取が腎機能(糸球体 濾過率)に与える影響を通常または低たんぱく質(高たんぱく質摂取群よりも5% エネルギー以上低いものとする)に比べたメタ・アナリシスでは、有意な違いは観察されなかった(51)。
しかし、 試験期間が短いなど課題が多く残されている。
したがって、現時点ではたんぱく質の耐容上限量を設定し得る明確な根拠となる報告は十分ではない。
以上より、耐容上限量は設定しないこととした。
35%の高たんぱく食とは「例:2,000kcal」とすると、
- 炭水化物:250g(1,000kcal、50%)
- たんぱく質:175g(700kcal、35%)
- 脂質:33.3g(300kcal、15%)
と、相当なたんぱく質量となります。
※計算方法は2000kcalを「炭水化物:500g(100%)、タンパク質:500g(100%)、脂質:222.2g(100%)をベースに求めています。
なかなか食事だけで、これだけのたんぱく質を摂るのは難しいと思います。
ただ、プロテインなどサプリを追加すれば、できなくはない数字です。
たんぱく質が35%以上となるとデータがなく、未知の領域となりますので摂りすぎは避てください。
※また、腎臓が弱いまた不安がある人(軽度慢性腎臓の方)は、1日あたりのタンパク質量は「0.6〜0.8g/kg」におさえてください。参考:【厚生労働省】慢性腎臓病(CKD)
何からたんぱく質を摂ればいいの?
次にたんぱく質は何から摂ればいいのかを解説します。
オススメ順に並べます。
- 【第1位】魚:特にオススメなのが鮭。鮭100gに22gのたんぱく質が含まれており、その身を赤くするアスタキサンチンは抗酸化物質でもある。さらにビタミンB群がすべて含まれており、脂質もオメガ3で抗炎症作用、動脈硬化や脂質異常症、認知症を予防する参考。酸化と炎症は美肌の大敵であり、抗酸化・抗炎症につながる鮭は美容にとって強い味方になる。
- 【第2位】大豆:畑の肉と呼ばれる食物。大豆100gに33.8gのたんぱく質が含まれており、食物繊維やポリフェノールのイソフラボンが含まれている。イソフラボンはエクオールに代謝されることで女性ホルモンのエストロゲンと同様な働きを持ち、閉経後の女性の抗肥満と抗糖尿病や動脈硬化、骨粗鬆症の予防に働く参考。また、コラーゲンを増やして美肌にもつながる参考。特にオススメなのが納豆で腸内環境を整えることで美肌になる。腸内環境を整えるにはこれを読めばOK!誰でもできる腸活14選【後編】
- 【第3位】鶏肉:鶏むね肉(皮なし)は100gあたり23.3gのたんぱく質が含まれている。肉の中では最もタンパク質量が豊富。手羽先のタンパク質は100gあたり17.4gで脂質が16.2gと高めだがコラーゲンが含まれており、美肌につながる。
- 【第4位】豚肉:豚ロース肉(赤肉)100gに22.7gのたんぱく質が含まれている。糖質からエネルギーを作り出すビタミンB1が含まれており、元気な体の元になっている。ビタミンB1が不足すると、疲労、だるさ、食欲不振などの症状が現れる。また、糖質をエネルギーに変えるため、エネルギーが正しく消費され肥満予防につながる。
- 【第5位】牛肉:オススメは脂質の少ない赤肉。牛もも肉100gに21.3gのたんぱく質が含まれており、ヘム鉄も含まれている。ヘム鉄は体内に酸素を運搬するヘモグロビンの生成に関わる栄養素。ヘモグロビンが不足すると体内のあらゆる所で酸素が足りずエネルギー不足が発生し、疲れやすい、注意力や記憶力の低下、頭痛、不眠、血が濃くなるなど様々な症状と内蔵への負担が起こる。
- 【第6位】卵:卵1個分(50g)のたんぱく質は6.2g。たんぱく質以外にビタミンやカルシウム、鉄など非常に栄養バランスに優れた食材。ビタミンはビタミンB2、B12、ビタミンD、ビタミンA、ビタミンE。ミネラルはカルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウムなど完全栄養食として重宝される。
- 【第7位】乳製品:乳製品でオススメなのがヨーグルト。ヨーグルト100gあたりのたんぱく質は3.6g。ヨーグルトの中でも特にオススメなのがオイコス。オイコスのプレーン味は113gで12gのたんぱく質が含まれている。また、乳酸菌は痩せることができ、腸内環境も整い美肌につながり美容効果が高い。オイコスのダイエット効果は4つ!乳酸菌とタンパク質のおいしい共演
その他、加工肉もありますが、そもそも加工食品がオススメできないので除外しています。
セットポイントって何?体重と関係あるの?痩せられるの? こんにちは、おっちーです(^^) 自動で痩せられる仕組みが手に入ったら嬉しいと思いませんか?そう、その鍵を握るのがセットポイ[…]
以上、たんぱく質は魚から摂取するのをオススメします。
いつたんぱく質を摂ればいいの?
最後にたんぱく質を摂取するタイミングについて解説します。
結論として、たんぱく質を摂るタイミングは朝食をオススメします。
なぜなら、体内時計が影響して朝にたんぱく質を摂取したほうが筋肉の増加が見込まれるからです。
下記の研究では、マウスで筋肉と体内時計の関係を調査した後、ヒト(女性高齢者60名)を対象にして、たんぱく質の摂取タイミングによる筋肉増加の影響を調査しています。
毎日の食事におけるタンパク質摂取量の分布が筋時計を介した骨格筋肥大に影響すること(2021年7月)
一日を通してのたんぱく質の摂取量は、通常「朝食、昼食、夕食」ごとに異なっている。
しかし、その生理学的な意味やタンパク質の摂取タイミングによる筋量に及ぼす影響については、ほとんど知られていない。
ここでは1日2食の摂食モデルを用いた結果、朝食のたんぱく質摂取が、筋時計(体内時計)に依存した形で、筋トレによる筋肥大を促進することを見出した。
分岐鎖アミノ酸(BCAA)添加飼料を朝食時に摂取したマウスは、骨格筋の肥大を示した。
しかし、時計電子(ClockΔ19、Bmal1)を欠損したマウスではその効果は観察されなかった。
さらに、たんぱく質の摂取タイミングによる骨格筋指数(筋肉の増加数)や握力などの筋機能との関係をヒトで検討した。
結果、食事たんぱく質を夕食よりも朝食で主に摂取している被験者では、より高い筋肥大、筋機能が観察された。
これらのデータから、朝食時のたんぱく質摂取は骨格筋量の維持に適している可能性がある。
結果、朝食時にたんぱく質を摂取した方が筋肉量、筋機能ともに増加したことがわかりました。
※上記の図Fが筋肉量、図Hが筋機能(握力)。朝食高たんぱく(B-Pro)の方が夕食高タンパク(D-Pro)より、筋肉量と筋機能ともにわずかだが増加している。
似たような結果は、下記の研究でも報告されています。
高齢者の骨格筋量に夕食と昼食よりも朝食でたんぱく質を補給することが効果的であること(2021年12月)
このことから、たんぱく質を摂るタイミングは朝食をオススメします。
以上、たんぱく質に関する疑問にお答えしました。
おさらいすると、たんぱく質の美容効果は、
・筋肉による美しいボディライン
・ツヤのある美肌
・美しい髪
・バッチリ痩せる
の4つです。
そして、たんぱく質は必ずやせて-10歳の健康美にとって必須の栄養素です。
まとめ
最後にもう一度内容を確認しましょう。
- たんぱく質は、炭水化物、脂質と並ぶ三大栄養素の一つ
- たんぱく質は20種類のアミノ酸が様々な配列によって組み立てられている
- たんぱく質は「筋肉・骨・肌(皮膚)・髪・爪・臓器・血液」をつくる
- たんぱく質は、酵素として代謝を調節する、神経伝達物質の材料となる、エネルギーとして利用される
- たんぱく質は、サイトカイン(生理活性物質)として免疫機能を調節し病気にならないようにする
- アミノ酸には必須アミノ酸と非必須アミノ酸がある
- 必須アミノ酸が不足すると、筋力が低下する、疲れやすくなる、睡眠の質が悪くなる、集中力が低下する、貧血や冷え性になる、病気にかかりやすくなる
- たんぱく質の美容効果は「筋肉による美しいボディライン、ツヤのある美肌、美しい髪、バッチリ痩せる」の4つがある
- たんぱく質は1日あたり「1.0〜1.3g/kg」までは摂りたい
- ボディメイクをしている人ならば「1.3〜2.5g/kg」もアリ(腎臓が弱い人は「0.6〜0.8g/kg」におさえて)
- オススメのたんぱく源は魚、特に鮭がオススメ!
- たんぱく質は朝食に摂りたい!
以上です。
今回の記事でたんぱく質の必要性と美容効果についてご理解いただけたのではないでしょうか。
そして、たんぱく質の摂取量やオススメのたんぱく源、摂取タイミングについてもおさえていただけたと思います。
たんぱく質は、必ずやせて-10歳の健康美を手に入れる必須の栄養素です。
ぜひ、普段の食生活からたんぱく質を意識していただければと思います!(๑•̀ㅂ•́)و✧
今回のお話は以上です。
ここまでお読みいただきありがとうございました
それではまた♪