チョコレートが血圧を下げるって本当?
こんにちは、おっちーです(^^)
チョコレートは、血圧を下げるって聞いたことありますでしょうか?
血圧が高い状態(高血圧)が続くと、動脈硬化になり、最終的に心筋梗塞や脳卒中といった死に直結する病となり大変です。
よって、できるだけ血圧は正常値(140/90mmHg以下)をキープしたいところ。
そこで、チョコレートです。
じつは、チョコレートは血圧を下げるって言われてるんです。
本当でしょうか?
もし、あの美味しいチョコが血圧を下げてくれるなら、こんな美味しい話はありませんね♪
ということで、今回のテーマはチョコレートが血圧を下げるのか?本当のところを解説します。
この「チョコレートが血圧を下げるのか?本当のところ」をハッキリさせるために、論文を12本熟読しました。
徹底的に調査したので、この記事の情報には自信があります!
この記事では、
- チョコレートが血圧を下げるのか?実際の研究事例
- チョコレートが血圧を下げるメカニズム
について詳しく解説しています。
これを読めば、あなたはチョコレートが血圧を下げる本当のところと、そのメカニズムについて理解できるようになるでしょう。
それではいってみましょう!(๑•̀ㅂ•́)و✧
チョコレートが血圧を下げる
では、早速結論から参りましょう。
チョコレートが血圧を下げるのは本当です!
なぜなら、チョコレートが血圧を下げるとする研究がいくつもあるからです。
そして、チョコレートのカカオポリフェノールには、
- 血管を柔らかくする
- 血管のつまりを予防する
といった作用があります。
これが、チョコレートが血圧を下げる理由になっています。
チョコレートが血圧を下げるとする実際の研究事例
はじめに、チョコレートが血圧を下げるとする実際の研究事例をご紹介しましょう。
下記のメタアナリシスでは、チョコレートが収縮期血圧(最高血圧)を「-3.94mmHg」低下させたと報告しています。
※mmHgは、「ミリメートル・エイチ・ジー、またはミリ水銀」と読みます。血圧130mmHgは、水銀を130mm押し当てる力という意味です。
参考:正常血圧および血圧上昇者の血圧に対するココア飲料およびダークチョコレートの摂取の影響: システマティックレビューとメタアナリシス(2022年7月)
【要約】
ココアは、フラバノールを含むポリフェノールの主要な食物源であり、血圧の低下と関連付けられている。
この系統的レビューとメタアナリシスは、空腹時または24時間以上にわたって測定した収縮期血圧が正常または上昇(<または130mmHg以上)している人において、飲料またはダークチョコレートとして2週間以上のココア摂取の効果を調べることを目的としています。
2022年2月26日までにPubMedとCochrane Libraryのデータベースで実施したシステマティックサーチでは、31件の適切な論文が得られた。
ベースラインの血圧とは無関係に、2週間以上のココア摂取は収縮期および拡張期血圧の低下と関連していた(p<0.05、すべて)。
ココアと比較して、チョコレートはココア飲料(-1.54mmHg、95%CI [-3.08, 0.01])よりも安静時収縮期血圧の加重平均(-3.94mmHg、95%CI [-5.71, 2.18] )が低下していた。
フラバノールの1日の摂取量が900mg以上、またはエピカテキンの1日の摂取量が100mg以上の場合、その効果はより大きくなった。
※メタアナリシスとは、いくつもの研究をひとまとめにして精査し結論を導くもので、その結果は非常に信頼性の高いものとなっています。
ここで述べられているココアとは、カカオのことです。
カカオは、チョコレートになったり、飲料のココアになったりします。
で、カカオの摂取は(チョコレートでも、飲料のココアでも)、収縮期血圧(最高血圧)、拡張期血圧(最低血圧)ともに低下させたとのこと。
さらに、飲料のココアよりも、チョコレートの方が、より収縮期血圧(最高血圧)を低下させるという結果となっています。
また、上記のメタアナリシスにはコクランレビューが含まれているのも大きい。
【著者らの結論】
このレビューは、フラバノールが豊富なチョコレートおよびココア製品が、主に健康な成人において短期的に小さな(2mmHg)血圧の低下効果をもたらすという中程度の品質の証拠を提供する。
コクランとは、世界130ヵ国以上の科学者が参加しており、医療関係者や医療政策決定者は、このコクランが提供するレビューを元に意思決定をしています。
そのほかの論文でも、チョコレートが血圧を下げると述べている。
よって、チョコレートは血圧を下げる!と言ってよいでしょう。
ちなみに、より血圧低下の効果を得るためには、1日900mgのフラバノール(カカオポリフェノール)を2週間以上摂取するといいようです。
こちらの商品に含まれるカカオポリフェノールは、1枚に付き147mg。
カカオポリフェノール900mgを摂取するには、こちらの商品を6〜7枚食べる必要があります。
※「900mg÷147mg/枚=6.12枚」
チョコレートが血圧を下げるメカニズム
では、なぜチョコレートが血圧を下げるのでしょうか?
それは、カカオポリフェノールが、
- 一酸化窒素(NO)を増やし血管を柔らかくする
- 抗酸化作用が血管のつまりを予防する
といった働きで血圧を下げるからです。
カカオポリフェノールが一酸化窒素(NO)を増やし血管を柔らかくする
チョコレートのカカオには、カカオポリフェノールが豊富に含まれています。
カカオポリフェノールとは、フラバノール(エピカテキン、カテキン、プロシアニジン)とフラボノール(ケルセチン)といったポリフェノールをひとくくりにした総称です。
で、このカカオポリフェノールが、一酸化窒素(NO)を増やす働きがあります。
一酸化窒素(NO)とは、窒素と酸素からなる化合物で、この物質が血管を柔らかくしてくれるのです。
血管が柔らければ弾力性も増し、血管が伸縮しやすくなり血流もスムーズになります。
しかし、血管が固くなると弾力性は減り、血管が伸縮しにくくなり血流が滞ってしまいます。
すると、血液を強く押し出す必要に迫られ圧力を高めることに。
これが、高血圧です。
そして、血管に圧力がかかった状態(高血圧)が続くと、血管もダメージを受け、血管の内側にプラーク(ドロドロの粥状態)がついたり、血栓が生じることで動脈硬化につながる。
さらに、「高血圧→動脈硬化」の悪循環が進行し、最終的に心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まります。
人は、加齢により血管が固くなっていきます。
だから、高齢者は「高血圧→動脈硬化」の悪循環にはまりやすく、心筋梗塞や脳卒中で亡くなる人が増えるのです。
人が老いるのは、血管が固くなるから。
で、血管を柔らかくする(若返らせる)のが一酸化窒素(NO)なんです。
一酸化窒素(NO)は、血管の内側(血管内皮)にある平滑筋の緊張を緩めることで血管を柔らかくします。
そして、チョコレートのカカオポリフェノールが、
- 一酸化窒素(NO)合成酵素の活性を刺激する
- アルギニン(アミノ酸)から一酸化窒素を合成する
といった流れで一酸化窒素を増やしてくれます。
つまり、チョコレートのカカオポリフェノールが一酸化窒素を増やして血管を柔らかくしてくれるのです。
カカオポリフェノールの抗酸化作用が血管のつまりを予防する
カカオポリフェノールには、抗酸化作用があります。
血管がつまる原因は、酸化ストレスです。
酸化ストレスとは、酸化反応により引き起こされる有害な作用のこと。
酸化反応を引き起こすのが活性酸素です。
活性酸素は、人が息を吸うことで酸素を取り込み、そこからミトコンドリアでエネルギーを得る(呼吸)ときに排出されるもの。
活性酸素は、免疫機能としてウイルスや悪玉菌をやっつける働きをしますが、過剰になると細胞を傷つけてしまいます。
活性酸素による酸化反応(錆び)が、細胞を傷つけたり死滅させることで老化が進みます。
酸化ストレスによって、血管がつまるのは、
- 活性酸素が、脂質のLDLコレステロールと結びつき酸化LDL(過酸化脂質)となる
- 酸化LDLが血管壁に沈着する
- 白血球のマクロファージが、血管壁に沈着した酸化LDLを異物と見なし捕食を開始する
- 酸化LDLが大量にあるとマクロファージは食べすぎになり動けなくなる
- この動けなくなったマクロファージが、プラークと呼ばれるドロドロの粥状の物質となって血管壁にたまり、血管をつまらせる
このような流れになっています。
脂質のLDLコレステロールと活性酸素が結びつくから血管がつまる。
血管がつまってしまうから、高血圧になったり動脈硬化になったりするのです。
逆に活性酸素が少なければ酸化LDLは作られず、血管をつまらせることはありません。
そこで、チョコレートのカカオポリフェノール。
カカオポリフェノールには抗酸化作用があり、活性酸素を減らしてくれます。
酸化ストレスとは、活性酸素によるストレスです。
下記の論文では、チョコレートのカカオポリフェノールが、酸化ストレスを改善すると紹介しています。
ポリフェノールと酸化ストレスに関する文献のシステマティックレビューでは、4つの研究がフラバノールが豊富なココアの摂取後に酸化ストレスと炎症のマーカーが統計的に有意に改善したことを報告しています(89)。
喫煙者にミルクチョコレートではなくダークチョコレートを投与した場合、酸化ストレスの有意な減少がみられた(90)。
さらに、ココアパウダーによるフラボノイドの大量摂取(472.5mg)は、2型糖尿病患者のすべての酸化および炎症マーカーの低下をもたらし、反応性充血末梢動脈圧測定法(EndoPAT-2000)で評価した内皮機能(1.7 ± 0.1 対 2.3 ± 0.1%, p = 0.01)の改善と並行した(73).。
カカオ製品の摂取後、過酸化のマーカーの減少は、健康な被験者だけでなく、肥満、脂質異常症、高血圧予備軍、高血圧患者でも観察された(25)。
ココアフラバノールは、活性酸素や窒素種を直接消去する(91)。
さらに、カタラーゼ、スーパーオキシドディスムターゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン還元酵素、グルタチオン転移酵素、キサンティンオキシダーゼ、リポオキシダーゼなどの酸化ストレスに関係する重要酵素の調節を行う(92,93)。
※「カタラーゼ、スーパーオキシドディスムターゼ・・・」は活性酸素を分解する酵素です。
よって、チョコレートのカカオポリフェノールの抗酸化作用が、血管のつまりを予防するということです。
以上、チョコレートが血圧を下げるのか?本当のところを解説しました。
再度結論を申し上げると、
チョコレートが血圧を下げるのは本当です!
そして、チョコレートのカカオポリフェノールには、
- 血管を柔らかくする
- 血管のつまりを予防する
といった作用がある。
人が老いるのは血管が固くなるから。
チョコレートは、血管を柔らかくし若々しさを保ってくれます。
つまり、チョコレートは優秀なアンチエイジング食品なんです!(๑•̀ㅂ•́)و✧
まとめ
最後にもう一度内容を確認しましょう。
- チョコレートは血圧を下げる!
- 2022年7月のメタアナリシスでは、チョコレートが収縮期血圧(最高血圧)を「-3.94mmHg」低下させたと報告
- カカオの摂取はチョコレートでも飲料のココアでも、収縮期血圧(最高血圧)、拡張期血圧(最低血圧)を低下させる
- チョコレートが血圧を下げるメカニズムは、カカオポリフェノールが「①一酸化窒素を増やし血管を柔らかくする、②抗酸化作用が血管のつまりを予防する」の2つ
いかがでしたでしょうか?
今回のお話で、チョコレートが血圧を下げる本当のところと、そのメカニズムについて理解していただけたと思います。
チョコレートは、血圧を下げます。
また、血管を柔らかくしたり、血管のつまりを予防してくれます。
人が老いるのは、血管が固くなるから。
血管を柔らかくしてくれるチョコレートは、優秀なアンチエイジング食品といえるでしょう。
今回のお話は以上です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
それではまた♪