睡眠とダイエットの関係!ダイエットを成功させるための睡眠について理解する

睡眠ってダイエットに関係あるの?

なぜ、寝ないと太るの?

 

こんにちは、おっちーです(^^)

 

よく、TwitterやYoutubeを眺めていると、「ダイエットに睡眠は大事!」って目にします。

 

では、ここであなたに質問です。

 

なぜ、ダイエットに睡眠は大事なのでしょう?

 

答えられますか?

 

もし、よくわからないという人は、このまま読み進めてください。

きっと、答えがわかります。

 

「そんなの知ってるよ」

という方も、ぜひ答え合わせしていただければと思いますので、このまま読み進めてください。

 

ということで、今回のテーマは睡眠とダイエットの関係について解説します。

 

この「睡眠とダイエットの関係」についてより明確にするために、論文を12本熟読しました。

ガッツリ掘り下げた知識なのご参考になれば幸いです。

 

この記事では、

  • 睡眠とダイエットの関係
  • なぜ睡眠不足は太るのか?そのメカニズム

について詳しく解説しています。

 

これを読めば、あなたはダイエットと睡眠の関係について詳しくなり、なぜダイエットで睡眠が大事なのかよく理解できるようになるでしょう。

 

ぜひ、最後までお読みいただければと思います!(๑•̀ㅂ•́)و✧

 

睡眠とダイエットの関係って?

 

早速、結論から参ります。

睡眠は、食事や運動と同じくらいダイエットにとって重要!

です。

 

なぜなら、睡眠不足が肥満の原因となることが、数々の研究によって示されているからです。

 

そして、睡眠不足は、

  • 食欲を増加させる
  • 太りやすい体質になる

といったメカニズが肥満となる原因です。

睡眠とダイエットの関係を示した研究

はじめに、睡眠とダイエットの関係を示した研究をご紹介します。

 

下記の研究は、睡眠と健康に関する数々の研究から得られた成果をひとまとめにして、重要なポイントをまとめたもの(システマティックレビュー)です。

そのなかから、「肥満」に関する記述をピックアップしました。

参考:成人における睡眠時間と健康:システマティックレビューの概要(2020年10月

このシステマティックレビューの目的は、成人における睡眠時間と健康アウトカムとの関連を検討することであった。

合計36件のシステマティックレビューが対象となり、11件が組み入れられた。

対象となったシステマティックレビューには、30カ国、4,437,101人の参加者が含まれている。

用量反応曲線から、健康と最も良好に関連する睡眠時間は、1日あたり7~8時間であることが示された。

・・・省略・・・

【肥満】
Itaniら(2017)は、短い睡眠時間(6時間未満/日)が肥満の発生率の38%の上昇と関連することを示した(21論文でN = 322,842成人)。

 Jikeら(2018)は、長い睡眠時間(9時間/日以上)は、通常の睡眠時間と比較して、肥満の発生率が8%増加することを示した(15論文、N = 318 437成人)(表2)。

エビデンスの質は中~高で、AMSTAR 2の評価も高かった。

 

このシステマティックレビューでわかったことは、6時間未満の睡眠は、肥満の発生率が38%増加するということでした。

※2.6人に1人が肥満になるので、けっこうな割合です。

 

しかも、エビデンス(証拠)の質は「中〜高」と非常に高い。

 

システマティックレビューとは、文献をくまなく調査し、ランダム化比較試験のような質の高い研究データを出版バイアスの偏りを限りなく除き、分析する手法です。

システマティックレビューは、メタアナリシスと同等にエビデンス(証拠)の強度は非常に高いものになっています。

エビデンスの強度
エビデンスの強度(出典:Wikipedia)

 

よって、睡眠不足が肥満になるというのはすでに確立されているといえるでしょう。

参考:睡眠と肥満の疫学(2017年10月

参考:睡眠と体重・身長の発達(2019年3月

参考:睡眠延長: 肥満治療のターゲットになる可能性(2020年12月

 

なぜ睡眠不足は太るのか?そのメカニズム

それでは、なぜ睡眠不足は太るのでしょうか?

そのメカニズムをひも解いていきましょう。

 

睡眠不足が太るメカニズムは、

  • 食欲を増加させる
  • 太りやすい体質になる

の2つです。

睡眠不足は食欲を増加させる

睡眠不足は、食欲を増加させます。

 

睡眠不足が食欲を増加させるには、さらに2つの原因に分けられます。

  • ホルモンバランスの乱れによって食欲が増す
  • 脳の報酬系が活発になり食欲が増す

です。

ホルモンバランスの乱れによって食欲が増す

睡眠不足は、ホルモンバランスを乱すことによって食欲を増加させます。

 

下記の論文は、睡眠不足の太る原因について論じています。

参考:睡眠不足の解消: 体重減少および体重減少維持への影響(2022年4月

【1.2. 睡眠時間と食事の変化の両側関連性 ホルモンと体重増加】
睡眠覚醒サイクルは概日リズムによって厳密に制御されており、食欲とカロリー摂取を調節するホルモンであるグレリンとレプチンの循環レベルに強い影響を及ぼす[36]。

睡眠時間が短いと、空腹感を刺激するホルモンであるグレリンの増加や、飽和ホルモンであるレプチンの減少に関連し[4,37]、疲労やストレスと戦うために食事摂取量が増えるなどのメカニズムが考えられている[29,37,38,39,40]。

睡眠不足は、食欲を調節するホルモンのレベルを変化させることにより、体重を減らすための食事の努力を損ない、食事の遵守を低下させることにつながる[41]。

睡眠時間の増加や睡眠障害の是正は、食欲を調節するホルモンのバランスが良くなり、耐糖能が向上し、コルチゾールのレベルが低下することを伴うと考えられる[11]。

・・・省略・・・

Calvinら[29]は、睡眠不足に陥った人はカロリー摂取量の増加により体重が増加する傾向にあり、そのため睡眠不足は肥満発症の強いきっかけとなる可能性があると提唱した。

睡眠不足を課した場合、通常の睡眠時間と比較して、平均200~500kcal/日のエネルギー摂取量の増加が記録されており、睡眠不足後に観察される体重増加には、睡眠時間の増加が大きく影響している可能性が示唆されています[18]

 

上記によると、睡眠不足は空腹ホルモンのグレリンの増加と、満腹ホルモンのレプチンが減少につながるとのこと。

その結果、1日の食事量(エネルギー摂取量)が平均200〜500kcal増えたようです。

 

空腹ホルモンのグレリンが増えると、お腹が空きます。

満腹ホルモンのレプチンが減ると、いつまでもお腹は満たされません。

 

なかでもレプチンは、自動で痩せる仕組みのセットポイントを支える重要なホルモン。

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レプチンが減ることは、自動で痩せる仕組みが機能せず肥満につながります。

 

また、睡眠不足はコルチゾールの慢性的な高値につながります。

コルチゾールが慢性的に高くなると、空腹ホルモンのグレリンの分泌を促し、食欲をおさえるレプチンやインスリンの働きを邪魔することで食欲が増します。

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よって、睡眠不足はホルモンバランスを乱し食欲が増すということです。

参考:睡眠時間の短さは、レプチンの減少、グレリンの上昇、肥満度の上昇と関連する(2004年12月

参考:睡眠と睡眠不足がホルモン分泌と代謝に果たす役割(2009年11月

参考:肥満および糖尿病における睡眠時間の短縮がレプチン量に及ぼす影響について(2021年3月

参考:肥満における睡眠不足と概日リズムのずれの役割について(2023年2月

脳の報酬系が活発になり食欲が増す

睡眠不足は、脳の報酬系が活発になり食欲が増します。

 

下記のメタアナリシスでは、睡眠不足は脳の報酬系を活性化させると報告しています。

※メタアナリシスとは、いくつもの研究をひとまとめにして精査し結論を導くもので、その結果は非常に信頼性の高いものとなっています。

健康な成人の代謝関連パラメータに対する睡眠制限の効果: ランダム化比較試験の包括的レビューとメタアナリシス(2019年6月

本レビューは、新たに出現した最良のエビデンスを統合することにより、代謝関連パラメータに対する睡眠制限の効果について包括的に検討することを目的とした。

睡眠制限介入を用いた41件のランダム化比較試験を確認した。

アウトカムは、主観的空腹感、食欲調節ホルモン、脳活動の変化、エネルギー摂取と消費、体重変化、インスリン感受性または抵抗性などでした。

睡眠制限により、主観的空腹感は100mmスケールで有意に増加した(平均差=13.4、p<0.001)。

参加者は、通常の睡眠時よりも睡眠制限時の方が252.8kcal/d(p = 0.011)多く消費していた。

睡眠を部分的に制限すると、体重が0.34kg増加した(p = 0.003)。

また、睡眠制限によりインスリン感受性が低下した(標準化平均差=-0.70、p<0.01)。

睡眠制限下では、食物刺激に反応する脳活動に有意な変化が見られ、特に「認知制御」と「報酬」に関連する領域で顕著であった。

 

脳の報酬系とは、「生きる・種の保存」につながるものは快感(報酬)が得られる仕組みのことです。

ダイエット学

あ〜!これを食べたら太ってしまう!!でも、とめられない!!これ以上食べると太るのに!!もうお腹いっぱい、でもとまらない、やめられない!!なんで?わたしの食欲はとまってくれないの!? […]

 

人は、美味しいものを食べると、この脳の報酬系が刺激され快感(報酬)が得られます。

※美味しいものとは「高糖質、高脂質、高塩分」といった近代型の欧米食に特徴づけられます。

 

この脳の報酬系は、麻薬で得られる快感と同じ仕組み。

つまり、美味しいものは麻薬と同じで「やめられない・とまらない」となり、これがすぎると中毒依存症につながってしまいます。

 

で、上記のメタアナリシスによると、睡眠の制限は、脳の報酬に関する領域の反応を増加させるとのこと。

 

よって、睡眠不足は脳の報酬系が活発になり食欲が増すということです。

参考:実験的睡眠制限がエネルギー摂取量、エネルギー消費量および内臓肥満に及ぼす影響について(2022年4月

 

睡眠不足は、

  • ホルモンバランスの乱れによって食欲が増す
  • 脳の報酬系が活発になり食欲が増す

の2つの原因により食欲が増します。

 

ホルモンと脳の報酬系は非常に強力です。

睡眠不足は、食欲を暴走させるキッカケとなるので、できるだけ7時間〜8時間の睡眠を心掛けたいものです。

 

睡眠不足は太りやすい体質になる

そして、睡眠不足は太りやすい体質になります。

 

こちらも、原因が2つに分けられます。

  • ホルモンバランスの乱れが太りやすくなる
  • インスリンの効きが悪くなり太りやすくなる

です。

ホルモンバランスの乱れが太りやすくなる

ホルモンバランスの乱れは、太りやすい体質につながります。

 

「睡眠不足により、食欲が増す原因はレプチンの減少である」と、すでに解説しました。

で、レプチンは食欲だけでなく、基礎代謝(エネルギー消費)にも関わります。

 

レプチンは、自動で痩せる仕組みのセットポイントを支える重要なホルモンですが、食欲を減少させるとともに、蓄えられた脂肪を溶かして燃やす働きをしています。

 

具体的にレプチンは、

  1. 交感神経に作用して白色脂肪細胞に蓄えられた脂肪を分解
  2. 褐色脂肪細胞のミトコンドリアにあるUCP-1にスイッチを入れ、分解された脂肪を燃やす

といった流れで基礎代謝(エネルギー消費)をアップします。

ダイエット学

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睡眠不足により、レプチンが減る。

レプチンが減ると、基礎代謝(エネルギー消費)を低下させるので太りやすい体質になるということです。

 

また、睡眠不足はコルチゾールの慢性的な高値になるのも、太りやすい体質になる原因です。

コルチゾールが慢性的に高くなると、筋肉のたんぱく質が分解されたり、筋肉を成長させるIGF-1(インスリン様成長因子)の働きを邪魔して筋肉が減ります。

そして、コルチゾールの高値は内臓脂肪を蓄積することがわかっています。

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よって、睡眠不足により、ホルモンバランスが乱れることは太りやすくなるということです。

インスリンの効きが悪くなり太りやすくなる

そして、睡眠不足はインスリンの効きを悪くします。

インスリンの効きが悪いと、糖尿病になったり、太りやすくなります。

 

下記の論文では、数々の研究データから、睡眠不足はインスリンの効きを悪くして糖尿病のリスクとなると論じています。

参考:肥満および糖尿病における睡眠時間の短縮がレプチン量に及ぼす影響について(2021年3月

最近のメタアナリシスでは、短時間睡眠(7時間に対して6時間)は2型糖尿病のリスクを約30%増加させる可能性があることが確認されています[86]。

睡眠不足は、インスリン感受性や膵臓β細胞の機能、標的細胞によるグルコースの取り込みを損ない、インスリン抵抗性を高めて2型糖尿病につながることが提案されている[87, 88, 89, 90, 91, 92, 93, 94]。

 

人は食事で糖質を取ると、

  1. 血液中の糖が上昇(血糖値の上昇)
  2. 膵臓からインスリンが分泌
  3. インスリンが筋肉や肝臓、脂肪細胞など各臓器の細胞に糖を取り込む
  4. 細胞に糖が取り込まれることで血糖値が下がる
  5. 細胞に取り込まれた糖はエネルギーに変換される

といった流れでエネルギーを獲得しています。

※糖=グルコース(ブドウ糖)

 

上記の①〜⑤の流れを糖代謝と呼びます。

人は、糖代謝によりエネルギーが得られるから生きていけるのです。

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糖尿病とは、この糖代謝に異常が見られる病気のことです。

 

その鍵を握っているのがインスリン。

インスリンが正しく機能することで、細胞に糖が取り込まれエネルギーに変換されます。

 

しかし、インスリンの効きが悪くなると、糖が細胞に取り込まれません。

すると、糖質を細胞に取り込もうとカラダはさらにインスリンを分泌します。

 

しかし、インスリンの効きが悪くて一向に糖が細胞に取り込まれない。

そして、血液中に糖とインスリンが過剰となり、最終的に過剰となったインスリンは残った糖を脂肪(中性脂肪)に合成して、白色脂肪細胞に蓄積することに拍車がかかります。

※「白色脂肪細胞に脂肪が蓄積される=肥満」です。

 

また、インスリンは、

  • 筋肉でたんぱく質を作り筋肉量の増加をもたらす
  • レプチンと同様の働きをして食欲をおさえる

といった働きで痩せる方向に働きます。

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しかし、インスリンの効きが悪くなると、これらの痩せるメリットが得られない。

※このインスリンの効きが悪くなることをインスリン抵抗性と呼びます。

 

つまり、睡眠不足はインスリンの効きを悪くして太りやすくなるということです。

参考:睡眠と睡眠不足がホルモン分泌と代謝に果たす役割(2009年11月

参考:睡眠延長: 肥満治療のターゲットになる可能性(2020年12月

 

睡眠不足は、

  • ホルモンバランスの乱れが太りやすくなる
  • インスリンの効きが悪くなり太りやすくなる

の2つの原因により太りやすい体質になります。

 

以上、睡眠とダイエットの関係について解説しました。

 

再度結論を申し上げると、

睡眠は、食事や運動と同じくらいダイエットにとって重要!

です。

まとめ

最後にもう一度内容を確認しましょう。

  • 睡眠は、食事や運動と同じくらいダイエットにとって重要!
  • なぜなら、睡眠不足が肥満の原因となることが数々の研究によって示されているから
  • 睡眠不足は「①ホルモンバランスの乱れ、②脳の報酬系が活発になる」という2つの原因により食欲が増す
  • 睡眠不足は「①ホルモンバランスの乱れ、②インスリンの効きが悪くなる」という2つの原因により太りやすくなる

 

いかがでしたでしょうか?

 

今回の記事で、ダイエットと睡眠の関係について詳しくなり、なぜダイエットで睡眠が大事なのかよく理解できるようになったではないでしょうか。

 

ダイエットにとって睡眠は、とっても大切なものです。

そして、睡眠は、カラダがエネルギーをチャージをするために必要不可欠なもの。

 

いくら忙しくても最低7時間は確保したいところです。

 

ホルモンや脳の働きは強力です。

カラダが求めていることに対して、なるべくその声を聞いてあげてください。

そうすることで、きっとカラダはあなたの味方になってくれダイエットもスムーズにいくでしょう。

 

今回のお話は以上です。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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