腸活とは?なぜ腸活が必要なの?その5つの理由と驚愕の腸内細菌!

腸活ってなに?

なぜ腸活が必要なの?

 

こんにちは、おっちーです。(^^)

最近、腸活って良く耳にしますよね♪

 

あ〜、う○この話でしょ?

たしかに便秘はツライからね・・・。

 

って、思っているそこのあなた!

そこで話を終わらせてはなりません!!

 

便秘のお話も大切ですが、さらに重要な話があります!!

 

なぜ、腸活が必要なのか?

 

このことをハッキリさせるために、論文を31本読破しました!

これから、そこから得た知識をお話します。

 

この記事では、

  • 腸活とは何なのか?
  • 腸活が必要な具体的な理由について
    詳しく解説します。

 

これを読み終えれば、あなたは腸活をする本当の意味を理解することができるでしょう。

そして、腸活がとても重要であることを知ることになるでしょう。

 

それでは、詳しく見ていきます!

腸活とは?全ては腸から始まっている

腸活とは、腸内環境を整えることを言います。

 

なぜ、腸活が必要なのでしょうか?

 

それは、

  • 便秘や下痢を改善する
  • 免疫機能が調節される
  • 健康美や美肌などアンチエイジングに効果あり!
  • 腸は脳に直接作用してメンタルに影響を与える
  • ダイエットに効果あり!!

だからです。

 

腸活は、必ずやせて-10歳の健康美につながります。

腸の役割!腸が元気でなければ始まらない

痩せて綺麗になりたい!

筋肉ムキムキになってカッコよくなりたい!

体の調子がよく充実した時間を過ごしたい!

いつも心が穏やかでご機嫌でいたい!

 

あなたの望む体を作るためには、腸が元気でなければ始まりません。

なぜなら、腸があなたの健康を支える最初の器官だからです。

 

人は食べ物を食べることで、生きていくことができます。

その食べ物から、さまざまな栄養を摂取して、あなたの体は支えられています。

 

痩せて綺麗になるのも、筋肉がムキムキになるのも、体の調子を整えるのも、心を整えるのも、あなたが食べる栄養から成り立っています。

 

で、その栄養を取り込んでいるのが腸なのです。

腸が健康でなければ、栄養が正しく取り込まれることはありません。

栄養が正しく取り込まれなければ、あなたの体は正しく機能しなくなってしまいます。

※反対に腸が健康でなければ毒素を取り込んでしまい、あなたの体はおかしくなってしまいます。

 

痩せて綺麗になるのも、筋肉がムキムキになるのも、体の調子や心を整えるのも、あなたの腸が鍵を握っているのです。(๑•̀ㅂ•́)و✧

 

腸は、

  • 食べ物を消化し栄養を吸収する:腸は胃で消化された食べ物をさらに分解し、栄養素「炭水化物、たんぱく質、脂質など」を体に吸収される形に変える働きが備わっている(消化)。腸絨毛と呼ばれる小腸の壁には、小さなひだのような突起があり、ここから栄養が吸収される。この突起した小さなひだは栄養の吸収を効率的に行うためのもので、広げるとテニスコート一面とほぼ同じ面積になる。
  • 水分を吸収して、体の水分やイオン(電解質)を一定の状態に保つ:栄養が吸収された後、食べ物のカスからは水分が大腸によって吸収される。また、ナトリウムやカリウムなどのミネラルを腸が吸収することで、イオン(電解質)のバランスを保つ。水とイオンは細胞を正常に保つために必要不可欠なもので、人が生きていくためにはなくてはならないもの。
  • 便を排泄する:水分が吸収された食べ物のカスは、最終的に固形状の便となる。便は直腸まで運ばれると、刺激が脳に伝わり便意を催す。腸にて水分が正しく吸収されないと便秘や下痢になる。便が腸に長く滞留する(便秘)と、腸内細菌の悪玉菌のエサとなり、アンモニアや硫化水素などの有害物質、発がん物質や発がん促進物質が発生し、それが腸から吸収されることで体に害を及ぼす。
  • 外敵から身を守る:口、食道、胃、腸(小腸、大腸)、肛門などの消化管は1本のホースでつながった構造をしている。口からは食べ物のほかに大気からさまざまな細菌やウイルスを取り込んでいる。消化管は常に病原体と接する場所でもある。この病原体を体に取り込まないように腸の表面には免疫細胞が配置されている。免疫細胞の70%は腸に存在しており、有害な病原体が体に入らないようにバリアを張っている。

といった役割を果たしています。

 

体にとって必要なものを取り込み、不要なものを排出する。

そして、外敵から身を守り、水分とイオンバランスを整えて体を正常な状態に保つ

体の調子を良くも悪くもするのは、腸から始まっているといっても過言ではありません。

 

腸が正しく機能しなければ、あなたの望む体は手に入らないといってよいでしょう。

腸内細菌(腸内フローラ)について

そして、その腸が正しく機能する重要な役割を担っているのが腸内細菌です。

 

人の体には、多くの微生物が住んでいます。

体の外側の肌や皮膚、内側では消化管(口、食道、胃、腸、肛門)、呼吸器系や生殖器など、いたる所に微生物が住み着いています。

これを常在菌と呼び、その多くは腸に存在しており、およそ1,000種類、数にするとなんと100兆個も生息しているとのこと!(@_@;)

※腸内細菌を重さにすると、1〜2kgになると言われています。脳の重さが約1.4kgなので脳の重さとほぼ同じなんですね!

 

腸内細菌の正式名称は、腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)です。

その多種多様さがお花畑のように展開されていることから、腸内細菌は腸内フローラと呼ばれるようになりました。

※本記事では、腸内細菌叢(腸内フローラ)を「腸内細菌」と表現を統一しています。

 

人の細胞は60兆個あると言われています。

それに比べて腸内細菌は、約100兆個と人の細胞より多く、遺伝子も人の150倍あると言われ、人をも凌駕するほどの複雑な生態系を腸内で形成しているのです。

参考:腸内細菌叢の基礎

 

この腸内細菌には「善玉菌、悪玉菌、日和見菌(ひよりみきん)」の3種類があり、それぞれ「2:1:7」でバランスを保っています。

  • 善玉菌:ビフィズス菌や乳酸菌に代表される菌で、乳酸や酢酸などを作り、腸内を酸性にすることで悪玉菌の増殖を抑えて腸の運動を活発にする。また、食中毒菌や病原菌による感染の予防や、発がん性をもつ腐敗産物の産生を抑制する。さらにビタミン(B1、B2、B6、B12、K、ニコチン酸、葉酸)を産生する。
  • 悪玉菌:ウェルシュ菌やブドウ菌、大腸菌(有毒株)に代表される菌で、たんぱく質や脂質が中心の食事や不規則な生活、各種のストレス、便秘などが原因で腸内に増えていく。肥満、糖尿病、大腸がん、動脈硬化、炎症性腸疾患と密接に関係している。
  • 日和見菌:バクテロイデスや連鎖球菌、大腸菌(無毒株)に代表される菌で、善玉菌・悪玉菌の優勢な方に味方すると言われている。しかし、日和見菌についての理解はまだまだ伸びしろがあり、菌の種類によっては体にとって良い影響を与えるものがあったり悪い働きをするものもあったり、未知なところが多い。

 

で、腸活とは、腸内細菌のバランスを「善玉菌(2):悪玉菌(1):日和見菌(7)」のバランスで保つことが重要です。

腸活が必要な理由は5つ!

腸内細菌は、私達と共生関係にあります。

その共生関係がもたらす影響と、腸活をする理由について具体的に見ていきます。

理由1:便秘や下痢を改善する

腸活をする理由で、まず頭に浮かぶのが便秘や下痢を改善することでしょう。

 

  • 小腸で食べ物を消化し栄養を吸収する
  • 大腸で水分を吸収して、体の水分やイオン(電解質)を一定の状態に保つ
  • 大腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)で便を排泄する

この流れは、「腸の役割!腸が元気でなければ始まらない」で記述したとおりです。

 

しかし、腸内細菌のバランスが悪く、悪玉菌が優勢になると、悪玉菌の出す毒性物質により、腸管が麻痺し大腸の蠕動運動が低下してしまいます。

 

蠕動運動が低下すると、便が動かなくなり大腸で便が滞留します。

これが、便秘です。

参考:慢性便秘症と腸内細菌学

 

さらに、便が長く滞留すると、悪玉菌のエサとなり悪玉菌が活発になる。

 

これにより、

  • 悪玉菌が出す有害物質によって、さらに大腸の蠕動運動が低下する
  • 蠕動運動が低下することで、さらに便が大腸に残る
  • 便が悪玉菌のエサになり、さらに悪玉菌が活発になる

という悪循環へ。

 

また、便が長く大腸に滞留することにより、便の水分が吸収されてしまって便が硬くなってしまいます。

すると、より体外へ排泄されにくくなってしまい、便秘の症状がよりひどくなってしまいます。

 

【下痢とは?】

下痢とは、悪玉菌が作り出す有害物質を素早く外へ排出するための作用です。

いわゆる自然治癒(浄化作用)が働いており、決して悪いものではありません。

しかし、この下痢が長く続くと善玉菌まで外へ流れてしまい、結果、腸内細菌のバランスが悪くなるのです。

 

腸活を行うことで、腸内環境を悪玉菌優勢から善玉菌優勢に変えることができます。

そして、悪玉菌による大腸の蠕動運動の低下を防ぎ、便を排泄しやすくします。

 

便秘の症状をひどくしないために、下痢による善玉菌が失われないように、腸活を行うことは急務であるといえるでしょう。

理由2:免疫機能が調節される

人の体は、口、食道、胃、腸(小腸、大腸)、肛門といった消化管が一本のホースでつながった構造をしています。

腸は、口から入ったものを吸収する場所です。

口から入るのは、食べ物の栄養素はもちろんのこと、大気から取り込む細菌やウイルスも例外ではありません。

 

細菌やウイルスには、人にとってよろしくない病原体となる種類があります。

これらを腸で吸収してしまうと、人は病気になってしまいます。

そこで、免疫細胞の70%が腸に集まり、病原体の細菌やウイルスが侵入してきても対処できるようにしているのです。

 

また、腸内細菌は食物繊維から短鎖脂肪酸(酢酸、酪酸、プロピオン酸)を作り出し、この短鎖脂肪酸が腸管上皮細胞を増やして腸バリアを形成します。

 

さらに、腸内細菌そのものが腸粘膜においてバリアを形成しています。

これにより、病原体の細菌やウイルスの侵入を防いでいます。

 

【免疫って何?】

免疫とは、「伝染病」などにかからないように、病原体を持つ細菌やウイルスから身を守る仕組みのことです。

免疫が正しく機能していれば、感染から身を守ってくれます。

しかし、免疫機能が強く働きすぎてしまうと、自らの体に火をつけてしまい(炎症)、アレルギー(喘息や花粉症)や、自己免疫疾患(リウマチ、1型糖尿病、シェーグレン症候群、etc)につながってしまいます。

※喘息は気道の炎症、花粉症は鼻の炎症というように、免疫系の疾患は「炎症」が関わっている。

免疫は強すぎても弱すぎても良くなく、バランスが調節されているのが理想です。

 

そして、腸に存在している免疫細胞が、腸内細菌によって制御されていることも重要です。

 

腸内細菌を除去した無菌マウスでは、免疫系の異常が発生し、通常のマウスの腸内細菌を移植すると、免疫系が正常化することがわかっています。

 

これは、「Treg」と呼ばれる制御性T細胞というものが、炎症を抑える働きを持っていて、このTregが腸内細菌によって増えることで、炎症を抑えて免疫系を正常にするからです。

 

また、Tregはアレルギー反応をおさえる働きをもっており、腸内細菌によってTregが誘導されることにより、アレルギー反応を軽くします。

自己免疫疾患の予防にもなるでしょう。

 

そして、Treg(制御性T細胞)は、腸内細菌によって産生される短鎖脂肪酸が重要な役割を果たしています。

短鎖脂肪酸の一つである酪酸は、Tregの分化を誘導するのです。

※腸内細菌が作る酪酸によって、Tregが増えるという意味です。

 

まとめると、

  • 腸内細菌によって、腸粘膜バリアが形成され、病原体の細菌やウイルスの侵入を防ぐ
  • 腸内細菌が作る短鎖脂肪酸の酪酸によって、Treg(制御性T細胞)が増える
  • Treg(制御性T細胞)によって、炎症がおさえられる
  • 炎症がおさえられることで、アレルギー反応が軽くなったり、自己免疫疾患の予防になる

 

以上の流れで、腸内細菌は免疫機能を調節しています。

参考:腸内細菌による免疫制御

理由3:健康美や美肌などアンチエイジングに効果あり

腸内細菌により、免疫機能が調節されると炎症がおさえられるようになります。

 

炎症は、体に異変が起きた時に、免疫機能によって自分を守ろうとする働きのことです。

例えば、ヤケドをしたところが腫れ上がったり、切り傷が赤くなったり熱を持ったりする現象のことを炎症といいます。

これは、体が治療しているということで、実は炎症はありがたい現象なんです。

 

しかし、これが短短期間であれば問題ないのですが、長期化(慢性化)してしまうと様々な問題が起きてしまいます。

 

炎症が慢性化することの問題として、

  • 高血圧→動脈硬化→心筋梗塞・脳卒中
  • 脂質異常症→動脈硬化→心筋梗塞・脳卒中
  • 糖尿病
  • 肝疾患
  • がん
  • 認知症
  • うつ
  • ぜんそくやアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患
  • 関節リウマチなどの自己免疫疾患

といった、体にとって非常によろしくないことが起こります。

 

腸内細菌が、免疫機能を調節することにより炎症がおさえられることで、これらの病気が予防されます。

つまり、腸活は健康美につながるとても重要なものなのです。

参考:腸内細菌叢、老化、長寿。システマティックレビュー(2020年12月)

 

そして、腸内細菌は、皮膚の状態に影響を与えることがわかっています。

これを「腸ー皮膚軸」と呼び、この分野でさまざまな研究が進められています。

参考:腸-皮膚軸:微生物によるディスバイオシスと皮膚疾患との相互関係に関する現在の知見(2021年2月)

 

現在、わかっていることとして、

  • ニキビ:ニキビ患者は、腸内細菌叢の多様性が低下している。プロバイオティクスを摂取する効果について研究が行われていて結果は有望。しかし、研究デザインの欠点を指摘されており、プロバイオティクスが効果があるとまでは言い切れない状態。
  • アトピー性皮膚炎:アトピーは最も一般的な炎症性皮膚炎疾患である。アトピー患者の腸内細菌の特徴として、クロストリジウムや大腸菌(いずれも悪玉菌)のレベルが高く、ビフィズス菌やアッカーマンシア(いずれも善玉菌)のレベルが低い。乳児のプロバイオティクスの摂取はメタ分析で効果がある支持されている。※メタ分析とは、いくつもの研究をひとまとめにして精査し結論を導くもので、その結果は非常に信頼性が高い。
  • 乾癬(かんせん):乾癬とは、赤いうろこ状の肥厚(ひこう)した皮膚の病気(体のどの部位にも起こりうる)。乾癬患者の腸内細菌は、バクテロイデス(日和見菌)のレベルが低く、ファーミキューテス(悪玉菌)のレベルが高い傾向にある。プロバイオティクスの摂取は有益であり、再発も少なくなることがわかっている。
  • 酒さ(さかさ):酒さとは、主に顔面に紅斑(赤い斑点)ができる慢性炎症の皮膚疾患で、日光に弱い肌がかかりやすい病気。酒さ患者は胃腸症のリスクが高いことから、腸内細菌の異常との関連が仮説で唱えられている。
  • フケ、脂漏性皮膚炎:フケは主に頭皮に発生し、皮膚の剥離やかゆみをもたらす皮膚疾患。脂漏性皮膚炎の患者の腸粘膜は、いくつかの異常が検出されている。プロバイオティクスの摂取は、プラセボ治療と比較して中等度から重度のフケの有意な改善が認められた。※プラセボとは偽薬のこと。薬の効果を計るときに対象群としてよく使われる。

です。

 

腸内細菌が、皮膚疾患と関連している。

そして、プロバイオティクスの摂取がアトピー性皮膚炎に効果があり、乾癬にも有効であることがわかっている。

 

このことから、腸活は美肌を保つためにも必要です。

理由4:腸は脳に直接作用してメンタルに影響を与える

そして、ここで重要なお話をします。

 

近年、自閉症の子供の腸内環境に異常が見られたり、腸内環境を整えるプロバイオティクス(善玉菌)を飲むと「うつ病」が改善されるなど、腸とメンタルについての研究が盛んに行われています。

参考:自閉症スペクトラム障害患者およびその第一度近親者における腸管バリアの変容(2010年10月)

参考:プロバイオティクス含有乳飲料の飲用が気分および認知に及ぼす影響(2006年12月)

 

その過程でわかったこととして、腸は脳に直接作用するということです。

 

このことがわかる前までは、人の体はすべて脳からの神経伝達によって制御されていると考えられていました。

しかし、腸とメンタルについての研究が進むと、これが覆されるようになったのです。

 

腸には、腸管神経と呼ばれる独自の神経ネットワークが存在しています。

この腸管神経は、中枢神経(脳と脊髄)を介さずに自律的に消化管機能を制御することができるのです。

また、腸管神経のニューロン(神経細胞)の数は、脊髄に存在するニューロンの数に匹敵することから、腸は第二の脳とまで呼ばれるようになりました。

参考:腸管神経系(脳科学辞典)

 

そして、脳と第二の脳である腸は迷走神経と呼ばれる複雑な神経経路でお互いに情報伝達を行っています。

つまり、腸は脳と対等に対話しているのです。

これを正式に「腸脳軸」「脳腸相関」って言います。

参考:脳腸相関②:脳と対話する腸(ヤクルト中央研究所)

 

さらに、この脳と腸の「脳腸軸」に新たな存在が加わりました。

それが、腸内細菌です。

 

腸内細菌が、脳に作用するポイントは下記3つとなります。

腸内細菌が作る短鎖脂肪酸は、BDNF(脳由来栄養因子)を増やして脳の働きを良くする

腸内細菌は、食物繊維やオリゴ糖から短鎖脂肪酸(酢酸・酪酸・プロピオン酸)を作り出します。

脳の「成長・維持・再生」を促進させる栄養分にBDNF(脳由来栄養因子)というものがあります。

 

で、下記の研究では、

参考:腸内細菌叢がマウスの脳由来神経刺激因子(BDNF)の中枢レベルおよび行動に影響を及ぼすこと(2011年8月)

短鎖脂肪酸の1つである酪酸を与えられたマウスは、脳の前頭葉や海馬でBDNF(脳由来神経栄養因子)が増えることが判明した。

とのこと。

 

つまり、腸内細菌は脳の働きを良くする可能性があるということです。

※ここで作られる酪酸とBDNFの濃度が、具体的にどれほど脳に影響するかまでは不明です。ただし、”腸内細菌が脳を育てる可能性”については期待されているところです。

腸内細菌が作る短鎖脂肪酸は、ミクログリアを成熟させ脳内環境を整備する

もう一つ、ミクログリアという脳の中にある神経細胞(ニューロン)を支える細胞があります。

このミクログリアは、脳内環境を整備する役割を担っていて、神経組織(ニューロンの集まり)がダメージを受けた時に、修復したり有害物質を排除したりします。

 

で、下記の研究では、

参考:中枢神経系におけるミクログリアの成熟と機能を絶えず制御する宿主微生物群(2015年7月)

腸内細菌のない無菌マウスは、ミクログリア細胞が未成熟となっており、無菌マウスに腸内細菌を移植し、短鎖脂肪酸が産生されると、ミクログリアは成熟した。

とのこと。

 

これにより、腸内細菌は脳内環境を整備しているということがわかりました。

腸内細菌がセロトニンを抽出しメンタルを安定させる

セロトニンは、脳内の神経伝達物質の1つで、ドーパミン(喜び、快楽)・ノルアドレナリン(恐怖、驚き)を制御し精神を安定させる働きをします。

このセロトニンが低下すると、ドーパミンやノルアドレナリンのコントロールが不安定になり、攻撃性が高まったり、不安やうつ、パニック障害などの精神異常を引き起こします。

 

で、下記の研究では、

参考:腸内細菌叢の常在菌が宿主のセロトニン生合成を制御していること(2015年2月)

セロトニンの90%が腸の消化管に存在している。

これは、腸内細菌によって、腸の「腸クロム親和性細胞」からセロトニンが抽出されるためである。

そこで抽出されたセロトニンは、腸の迷走神経を通じて最終的に脳の視床下部へ作用する。

※視床下部は、体温調節、ストレス応答、摂食行動、睡眠覚醒など本能を司る場所です。

 

このことから、腸内細菌はセロトニンを通じてメンタルを安定させます。

※また、セロトニンは精神を安定させる働きの他に、腸の消化管運動を調節し排便を促進したり、腸の止血を制御したりと、腸の健康を保つホルモンとしても働きます。

 

このように腸内細菌が腸に影響を及ぼす結果、脳にも直接作用しています。

これを、「脳-腸-腸内細菌相関」または「脳-腸-腸内細菌軸」と呼びます。

参考:脳の機能に関与する腸内フローラと「脳腸相関」(九州大学大学病院医学研究院心身医学教授/須藤信行)

参考:脳機能と腸内細菌叢(2017年)

 

さらに驚くべきことに、腸内細菌は子どもの性格にまで影響を与える可能性まで指摘されています。!(@_@)

参考:腸内細菌叢の構成は幼児期の気質と関連する(2015年3月)

生後18〜27ヶ月の77人の子ども(男:41名、女:36名)を対象に、性格と腸内細菌の多様性をチェック。

結果は、活動的で外向性が高い子どもであるほど、腸内細菌の多様性が富んでいた。

結論として、性格の違いと腸内細菌の構成の違いが観察された。

もし、脳と腸の双方向の関係が存在するならば、腸内細菌は性格に影響を与える可能性があるのかもしれない。

参考:乳児の腸内細菌と幼児期の神経発達アウトカムの関連性。VDAART無作為化臨床試験の付随研究(2019年3月)

生後3〜6ヶ月の309人の乳児(男:170名、女:139名)から便を採取し、腸内細菌の状態をチェック。

その後、3歳になった時の神経の発達具合をチェック。

結果、クロストリジウム(悪玉菌)は「運動能力:1.28倍、コミュニケーションスキル:1.69倍、個人的および社会的スキル:1.96倍」低下させることがわかった。

結論として、乳児の腸内細菌の構成は、3歳になったときの運動能力、コミュニケーションスキル、個人的および社会的スキルとの能力に関連している可能性がある。

参考:腸内細菌叢の構成と乳児の気質特性との関連性(2019年8月)

生後2.5ヶ月、301人の乳児(男:159名、女:142名)から便を採取し、腸内細菌の状態をチェック。

その後、6ヶ月になった子の気質を「乳児行動質問票(IBQ-R):母親の報告」で確認。

結果、ビフィズス菌(善玉菌)が多い子は、規則正しく、集中力が高い傾向があった。

ボジティブな感情は、ビフィズス菌と乳酸菌が多ければ多いほど高い傾向があった。

多様な腸内細菌は、負の感情および恐怖反応が低い傾向があった。

結論として、本研究は腸内細菌と乳児の気質の関連性があることを示している。

 

上記の研究結果から、腸内細菌の多様性は外向性が高く、ネガティブな感情や恐怖に襲われにくくなるということみたいです。

また、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌はポジティブになり、クロストリジウムなどの悪玉菌は子どものコミュニケーションスキルや運動能力の低下を引き起こすなど、その影響の大きさが伺えます。

※悪玉菌による子どもの能力低下の影響は、かなり大きいようです。しかし、腸内細菌はとても複雑でこの1つの結果だけで決めつけるのはまだ早いです。数多くの研究をメタ分析したものでなければハッキリしたことは言えません。

 

まとめると、

  • 腸は腸管神経によって脳から独立して自らを制御する
  • 腸は迷走神経を通じて直接脳とつながり対等に対話している
  • 腸内細菌は腸を通じて脳に働きかける
  • 腸内細菌が作る酪酸(短鎖脂肪酸)はBDNF(脳由来栄養因子)を増やして脳の働きを良くする可能性がある
  • 腸内細菌が作る短鎖脂肪酸はミクログリアを成熟させ脳内環境を整備する
  • 腸内細菌がセロトニンを抽出しメンタルを安定させる
  • 腸内細菌が子どもの性格にまで影響を与える

となります。

 

腸内細菌は、脳やメンタル、性格にまで影響を与える。

これは、腸活をしないわけにはいきません。

理由5:ダイエットに効果あり!!

そして最後に、腸内細菌は肥満に関係しています。

 

腸内環境を整えると痩せる理由は、こちらの記事をご参照ください。

ダイエット学

腸活するとなぜ痩せることができるの? こんにちは、おっちーです(^^)腸活すると痩せるってよく聞きますよね? で、ネットで「腸活 ダイエット」って調べてみたのですが、、、残[…]

 

この記事のポイントを要約すると、

  • 腸活で脳に働きかけて暴飲暴食を防ぐ:腸と脳は迷走神経と呼ばれる神経で直接つながっている(腸脳軸)。腸内細菌が腸管の細胞と連携し、神経伝達物質やホルモンを分泌することで「①食の好みを変える、②食行動に影響を与える、③食欲に影響を与える」という3つの作用を脳に及ぼす。腸活でこれらを適切にすることで脳を正常にして暴飲暴食を防ぐ。
  • 腸活は体内時計を整えて肥満を防ぐ:人は体内時計が正しく働かないと太りやすくなる。腸内細菌は正常な体内時計の維持に関与している(腸内細菌が作る短鎖脂肪酸によって)。そして時計遺伝子であるNFIL3が脂肪の吸収と排出を制御しており、これを腸内細菌が関与することで肥満をコントロール。体内時計が乱れると腸内細菌も乱れが生じ太るため、腸活で体内時計を整えて肥満を防ぐ。

 

腸内環境を整えることで、痩せることができます。

「衛生仮説(旧友説)」微生物は友達なのだ!

最後に「衛生仮説(旧友説)」について語らせてください。

 

腸内細菌は、体に常駐する常在菌です。

これら、目に見えない菌たちのことを微生物と言います。

 

で、微生物である腸内細菌は、まず母親から受け継がれます。

自然分娩で生まれた赤ちゃんは、お母さんの産道から細菌をもらい受けて生まれてきます。

母乳によって、またはお母さんの手が赤ちゃんに触れることによって、母親の細菌が赤ちゃんに引き継がれるのです。

 

そして、赤ちゃんは少しずつ成長していく過程で、「空気・水・土」に触れることで様々な菌を体に取り込んでいきます。

また、少し大きくなれば友達と遊ぶことで、友達からも様々な菌をもらって細菌ネットワークを構築し、共に育っていくのです。

 

細菌は最初の生命体です。

地球が生命あふれる惑星になったのは、この細菌のおかげです。

ダイエット学

こんにちは、おっちーです^^今回も必ずやせて-10歳の健康美を手に入れるための「ダイエットの基礎知識」を学んでいきます。 前回は「理想体重とは?」というテーマで、-10歳の健康美の適正体重について学びました[…]

 

人類の誕生とともに、細菌は人と結びつき共に進化してきました。

細菌は、人から食物繊維などのエサをもらう代わりにビタミンなどの栄養を人に与え、共生関係を築いています。

 

また、細菌が腸に住み着くことで、外から様々な有害なウイルスが侵入してきたら免疫細胞を刺激して体が問題を起こさないように調節してくれています。

 

しかし、現代は衛生環境が整備され、とくに都市部ではアスファルトやコンクリートに覆われてしまって土に触れる機会が少なくなっています。

また、残念ながら過剰に除菌や殺菌などして微生物を排除する方向に進んでいます。

 

微生物を排除した結果、

”免疫細胞が菌の情報をインプットする機会が失われている。”

 

そして、免疫細胞は学習することができず、問題のないものまで攻撃。

結果、アレルギーが蔓延しています。

※花粉症が良い例ですね。

 

これを衛生仮説(旧友説)といいます。

参考:衛生仮説(Wikipedia)

参考:衛生仮説が裏付ける酢酸菌の必要性

参考:第99回Dahlem会議:感染症、炎症、慢性炎症性疾患:ダーウィン医学と「衛生」または「旧友」仮説について(2010年4月)

参考:微生物の「旧友」、免疫調節、社会経済的地位(2014年7月)

 

今や微生物は、人にとってなくてはならないものになっています。

特に腸内細菌は、腸を健康に保つために必要不可欠なもの。

 

この腸内細菌は人の体に様々な影響を与えています。

その影響力の大きさから、腸内細菌は新たな臓器といった見方が、最近の知見として語られるようになりました。

 

腸活とは、腸内環境を整えることを言います。

 

腸活することで、

  • 便秘や下痢を改善する
  • 免疫機能が調節される
  • 健康美や美肌などアンチエイジングに効果あり!
  • 腸は脳に直接作用してメンタルに影響を与える
  • ダイエットに効果あり!!

と様々なメリットがあります。

 

微生物はなくてはならない友達です。

※だからむやみに除菌・殺菌してはいけません。

※コロナ騒ぎが始まってから、よく手をアルコール消毒しますが、常在菌のバランスが乱れてヤバいと思います。

 

そして、腸活は、

”必ずやせて-10歳の健康美につながる”

とても重要なものなのです!(๑•̀ㅂ•́)و✧

まとめ

最後にもう一度内容を確認しましょう。

 

  • 腸活とは、腸内環境を整えることを言う
  • 腸がすべての始まりで、腸が元気でなければ理想の体は手に入らない
  • 腸内細菌(腸内フローラ)のバランスは「善玉菌(2):悪玉菌(1):日和見菌(7)」が理想
  • 腸活は、腸内環境を悪玉菌優勢から善玉菌優勢に変えることで、大腸の蠕動運動が低下するのを防ぎ、便秘や下痢を改善する
  • 腸活は、腸内細菌によって腸粘膜バリアが形成されてウイルスの侵入を防ぐ、また腸内細菌が作る酪酸によってTreg(制御性T細胞)が増えて炎症がおさえられる。炎症がおさえられることでアレルギー反応が軽くなったり、自己免疫疾患の予防になるなど、免疫機能が調節される
  • 腸活は、炎症をおさえることで動脈硬化、糖尿病、がん、認知症などを予防。そして、ニキビ、アトピー性皮膚炎、乾癬、酒さ、フケは、腸内細菌の状態を良くすることで改善される可能性が高く、健康美や美肌などアンチエイジングに効果がある
  • 腸は自律的に動いており、脳と対等に対話し脳に直接作用する。
  • 腸内細菌が作る短鎖脂肪酸は、BDNF(脳由来栄養因子)を増やして脳の働きをよくする可能性がある
  • 腸内細菌が作る短鎖脂肪酸は、ミクログリアを成熟させ脳内環境を整備する
  • 腸内細菌がセロトニンを抽出し、メンタルを安定させる
  • 腸内細菌は子どもの性格にまで影響を与える可能性がある
  • 腸内細菌はダイエットに効果がある具体的なところは別記事にて説明する
  • 腸内細菌はその影響力の大きさから新たな臓器との見方がある
  • 腸内細菌を含めた常在菌、微生物は友達である

と、非常にもりだくさんですね♪

 

今回の記事で、

・腸活の本当の意味を理解する

・腸活がとても重要であることを知る

ことができたのではないでしょうか。

 

腸活は、必ずやせて-10歳の健康美につながるとても重要なものです!

 

今回のお話はここまでです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

それではまた♪

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ダイエット大学 必ず痩せて-10歳の健康美の知識

「ダイエット大学 必ず痩せて-10歳の健康美の知識」では、生物学・栄養学をもとに、必ずやせて-10歳の健康美を手に入れるための本格的な知識をまとめています。

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