人工甘味料はがんになるって本当?
こんにちは、おっちーです(^^)
人工甘味料は、
- ダイエット・コーラなどの炭酸飲料
- ココアやカフェオレの粉末飲料
- サワー系のお酒
- ノンシュガーチョコレート
- のど飴
- ガム
- ゼリー
- ヨーグルト
- プロテイン
など、さまざまな商品に使われています。
※代表的な人工甘味料としてアスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリンがあげられます。
現状、人工甘味料の安全性は、厚生労働省、FDA(米国食品医薬品局)、EFSA(欧州食品安全機関)など、さまざまな国の公衆衛生機関によって担保されています。
しかし、人工甘味料はがんになるという噂がたえません。
本当に人工甘味料はがんになるのでしょうか?
そこで、今回のテーマは人工甘味料はがんになるの?問題について取り組みたいと思います。
この「人工甘味料はがんになるの?問題」をハッキリさせるために、論文を13本熟読しました。
ガッツリ読みこんだので記事の質には自信があります!
この記事では、
- 人工甘味料は「がん」になるのか?実際の研究事例
- 人工甘味料と白血病のメカニズム
について詳しく解説しています。
これを読めば、あなたは人工甘味料はがんになるか本当のところについて理解できるようになるでしょう。
それでは、いってみましょう!(๑•̀ㅂ•́)و✧
人工甘味料はがんになる?
結論から入ります。
”人工甘味料は、がんになる可能性は低いが白血病になるリスクは高まる”
です。
※上記で述べたがんは、「全身がん、脳腫瘍、甲状腺がん、口腔がん、食道がん、胃がん、乳がん、膵臓がん、腎臓がん、大腸がん、膀胱がん、尿路がん、前立腺がん、子宮がん、卵巣がん」を指します。
※白血病とは、血液のがんのことです。
なぜなら、多くの研究結果を統合したメタアナリシスでは、人工甘味料とがんとの関連性を否定しているからです。
しかし、白血病は例外で人工甘味料との関連性が示されているので注意する必要があるでしょう。
※メタアナリシスとは、いくつもの研究をひとまとめにして精査し結論を導くもので、その結果は非常に信頼性の高いものとなっています。
人工甘味料とがんとの関係を調べた研究(メタアナリシス)
人工甘味料とがんとの関係を調べた研究は数多くあります。
下記にあげた研究は、いずれもメタアナリシスで、根拠に基づく医療(EBM)において、最も質の高い根拠(エビデンス)とされています。
- 人工甘味料の摂取による悪影響-システマティックレビュー(2016年4月):50歳〜71歳の男性285,079名、女性188,905名の5年間にわたるコホート研究(前向き観察研究)では、アスパルテーム消費と脳腫瘍のリスクとの間に関連は見られなかった。イタリアの7,028名対象にした症例対照研究では、人工甘味料の使用と口腔、のど、食道、胃、結腸、直腸、腎臓、子宮、前立腺のがんとの関連は認められなかった。しかし、男性47,810名、女性77,218名の22年以上にわたるコホート研究(前向き観察研究)では、1日1本のダイエットソーダの消費は白血病のリスク上昇が見られた。
- 非砂糖甘味料の摂取と健康アウトカムとの関連:無作為化および非無作為化対照試験と観察研究の系統的レビューおよびメタ分析(2019年1月):17件のランダム化比較試験、6件の臨床試験、5件のコホート研究(前向き観察研究)、15件のケースコントロール研究(症例対照研究)を統合した結果、膀胱がんまたは尿路がんのリスクは、人工甘味料を摂取している人とそうでない人で同程度である。ケースコントロール研究(症例対照研究)では、人工甘味料を摂取している人とそうでない人は卵巣がんと膵臓がんのリスクに差がない。
- 砂糖入り飲料または人工甘味料入り飲料の消費と死亡率の関連性。前向きコホート研究の系統的レビューおよび用量反応メタ分析(2021年3月):17件のコホート研究(前向き観察研究)を統合した結果、毎日1.5または2サービング(1食分として食べる量)の人工甘味料を摂取する人は、全死亡のリスクが4〜8%高く、心血管疾患による死亡のリスクが7〜15%高いことと関連する。しかし、がん死亡率については、有意な関連は認められなかった。
- 人工甘味料は癌の発生と死亡のリスクを高めることができるか。前向き研究からのエビデンス(2022年9月):総勢3,739,775名が対象となった25件のコホート研究(前向き観察研究)では、人工甘味料の摂取は、全体のがんの罹患率と死亡率と明らかな関連はなかった。しかし、ヨーロッパでは、人工甘味料の摂取はがんのリスクを増加させる可能性がある。
- 人工甘味料入り飲料の摂取とがんリスク:前向き研究の包括的な用量反応メタアナリシス(2022年10月):総勢2,821,922名が対象となった17件のコホート研究では、1日の人工甘味料摂取量と全がんのリスクとの間に有意な関連は認められなかった。しかし、白血病のリスクは人工甘味料の高摂取で上昇し、摂取量が1食分(355ml)増加するごとに15%増加した。
これらの研究により、人工甘味料はがんとの関連性はないということがわかりました。
よって、人工甘味料は、がんになる可能性は低いという結論に至りました。
※ここで述べたがんの種類は、「全身がん、脳腫瘍、甲状腺がん、食道がん、胃がん、乳がん、膵臓がん、腎臓がん、大腸がん、膀胱がん、尿路がん、前立腺がん、子宮がん、卵巣がん」です。
※しかし、フランスの成人によるコホート研究(前向き観察研究)では、人工甘味料とがんとの関連性を指摘していますので、がんになる可能性はゼロとは言えないでしょう。
そして、上記の研究結果は、人工甘味料が白血病のリスクと関連していると指摘しています。
それも、人工甘味料の摂取を1食分増やすたびにリスクが15%上昇するとまで報告している。
よって、人工甘味料は、白血病のリスクを高めると言えるでしょう。
人工甘味料は白血病になる?
人工甘味料はがんになる可能性は低いことがわかりました。
※ここで言うがんとは、「全身がん、脳腫瘍、甲状腺がん、口腔がん、食道がん、胃がん、乳がん、膵臓がん、腎臓がん、大腸がん、膀胱がん、尿路がん、前立腺がん、子宮がん、卵巣がん」のことです。
しかし、白血病のリスクを高めます。
※白血病とは、血液のがんのことです。
では、人工甘味料がどのようなメカニズムで白血病になるのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。
人工甘味料が白血病になるメカニズム
人工甘味料が白血病になると結論を出したのは下記の研究です。
人工甘味料入り飲料の摂取とがんリスク:前向き研究の包括的な用量反応メタアナリシス(2022年10月)
砂糖入り飲料の代替品である人工甘味料入り飲料が、がん罹患に及ぼす影響については、依然として議論のあるところである。
我々は、1日の人工甘味料入り飲料の摂取量とがんリスクとの関連を評価するために、前向き研究のメタ解析を実施した。
1967年1月から2022年9月の間に系統的な検索を行った。
リスク比(RR)またはハザード比(HR)を抽出し、プールした。
全体として、17件のコホートによる14件の論文が含まれた。
1日の人工甘味料入り飲料の摂取量と全がんのリスクとの間に有意な関連は認められなかった「リスク比(RR):1.03」。
部位別がん解析では、非リンパ性白血病のリスクは人工甘味料入り飲料の高摂取で上昇し「リスク比(RR):1.35」、大腸がんのリスクは減少した「リスク比(RR):0.78」。
用量反応分析では、人工甘味料入り飲料の摂取量と白血病のリスクとの間に正の線形相関が示された。
リスクは、1日の人工甘味料入り飲料の摂取量が1食分(355 mL)増加するごとに15%増加した「リスク比(RR):1.15」。
結論として、人工甘味料入り飲料の摂取は、白血病のリスクと正の相関があり、大腸がんのリスクと負の相関がある可能性がある。
こちらの研究は、17件のコホート研究(前向き観察研究)で総勢2,821,922名が対象となっています。
結果として、人工甘味料は全がんのリスクとは関係なかったと報告しています。
しかし、白血病に関してはは正反対の結果となっていました。
人工甘味料の高摂取は、白血病のリスクが35%増加するとのこと。
しかも、摂取量が1食分(355ml)増えるごとにリスクは15%高まるとまで述べています。
※結構なリスク・・・。
これをまとめた研究者は、原因として、
我々の結果は、人工甘味料入り飲料の摂取と白血病のリスク増加との間に有意な正の関連を示し、これは2021年に発表された以前のメタ解析と一致した[40]。
ラマッツィーニ研究所の一連の研究では、アスパルテームを与えたラットがより多くのリンパ腫と白血病を発症することがわかった[24,64,65,66]。
アスパルテームは、特に室温付近または室温以上の液体中では、メタノールに素早く分解し、ホルムアルデヒドを含む数種類の有害な代謝物を生成することがある[67]。
ホルムアルデヒドは、いくつかの動物試験及び試験管モデルにおいて変異原性及び遺伝毒性作用を示し、ヒト発がん物質、特に白血病の発がん物質として記録されている[68,69]。
ホルムアルデヒドの暴露は、白血病発生の標的である幹細胞及び前駆細胞において、骨髄性白血病に関連する特定の染色体異常のレベルを増加させることが示唆された[70]。
さらに、マウスモデルを用いた研究では、アスパルテームは骨髄細胞においてDNA鎖切断を誘発することが実証された[22]。
と述べていました。
つまり、原因はメタノール。
アスパルテームが胃や腸で消化されるとメタノールが生成されます。
メタノールがさらに代謝されると、ホルムアルデヒドとなり、これが発がん性物質となり白血病につながるということです。
ちなみに下記の記事でも、アスパルテームの酸化ストレス作用により「腎臓病、うつ病、不妊」のリスクが高まると述べさせていただきました。
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アスパルテームは酸化ストレス物質。
酸化ストレスとは、酸化反応により引き起こされる有害な作用のことです。
活性酸素による酸化反応(錆び)が、細胞を傷つけたり死滅させることで老化が進むことが酸化ストレス。
細胞が傷つくと、がん細胞が生まれる可能性があります。
マウスの研究により、アスパルテームは、マロンジアルデヒドと一酸化窒素(NO)が増加し酸化反応を引き起こすことがわかっています。
そして、大事な抗酸化物質であるグルタチオンを減少させる。
参考:アスパルテームがマウスの記憶および脳の酸化ストレスに及ぼす影響に関する研究(2012年12月)
よって、人工甘味料は白血病のリスクを高めると言っていいでしょう。
以上、人工甘味料はがんになるの?問題について取り組んでまいりました。
結論は、
”人工甘味料は、がんになる可能性は低いが白血病になるリスクは高まる”
です。
※上記で述べたがんは、「全身がん、脳腫瘍、甲状腺がん、口腔がん、食道がん、胃がん、乳がん、膵臓がん、腎臓がん、大腸がん、膀胱がん、尿路がん、前立腺がん、子宮がん、卵巣がん」のことです。
※白血病とは、血液のがんのことです。
となります。
人工甘味料でがんになるとは言えないものの、白血病になるリスクが高まるので、できるだけ人工甘味料は避けたほうが良いでしょう。
まとめ
最後にもう一度内容を確認しましょう。
- 数多くの研究結果を統合したメタアナリシスでは、人工甘味料とがんとの関連を否定している
- メタアナリシスとは、いくつもの研究をひとまとめにし精査し結論を導くもので、その結果は非常に信頼性の高いものとなっている。根拠に基づく医療(EBM)において最も質の高い根拠(エビデンス)とされている
- しかし、白血病に関してはメタアナリシスにおいて人工甘味料の摂取がリスクを高めるとしている
- 白血病になるメカニズムは、アスパルテームが代謝されることによるメタノールにある。
- メタノールが代謝されると、ホルムアルデヒドとなり、これが酸化ストレスを引き起こし発がんの原因となり、白血病につながる
いかがでしたでしょうか?
人工甘味料のがんとの関連性はほとんどのメタアナリシスで否定されています。
しかし、白血病に関してはリスクとして明確に報告されています。
今回、人工甘味料とがんとの関係について取り組みましたが、やはり人工甘味料は避けようと思います。
それにしても公共機関は、人工甘味料に規制をかけないのでしょうか?
ここまで経済的に流通してしまっては、後戻りするのは難しいのかもですね・・・。
※やっぱり個人で知識をつけて自分の身は自分で守る必要がありそう。
今回のお話で、人工甘味料はがんになるか本当のところをご理解いただけたかと思います。
今回のお話は以上です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
それではまた♪