ダイエットで人工甘味料はアリなの?ナシなの?
人工甘味料ってデメリットないの?
本当に人工甘味料を使っても大丈夫?
こんにちは、おっちーです(^^)
糖質オフ!カロリーゼロ!!
ダイエット食品に並ぶパワーワード。
これらの言葉を支えているのが人工甘味料です。
人工甘味料は、カロリーがほぼゼロのため、さまざまなダイエット食品に使用されています。
トレーニーの愛用品であるプロテインにもこの人工甘味料がたくさん使われています♪
ダイエットの強い味方と思われるこの人工甘味料。
しかし、その危険性も問題視されているのも事実。
あるところでは「まったく問題ない!」と言っていたり、あるところでは「イヤ!めっちゃ問題ある!」と言っていたり、お互いの主張は180度異なります。
いったい、人工甘味料は安全なのでしょうか?
それとも危険が伴うものなのでしょうか?
そこで、今回のテーマは人工甘味料のメリット・デメリットをまとめ、人工甘味料は本当に問題ないのか?真実を探ります。
この人工甘味料のメリット・デメリットをハッキリさせるために、人工甘味料の記事を9本執筆し、総勢89本の論文を熟読しました。
徹底的にインプットとアウトプットを繰り返したので情報の質には自信があります!
この記事では、
- 人工甘味料の基本的なお話
- 人工甘味料のメリット
- 人工甘味料のデメリット
について詳しく解説しています。
これを読めば、あなたは人工甘味料の理解が深まるでしょう。
それではいってみましょう!(๑•̀ㅂ•́)و✧
人工甘味料の真実とは?まずは基本をおさえよう!
人工甘味料をダイエットで利用するのはアリなのか?ナシなのか?
結論から申し上げると、
”人工甘味料はメリットがあるが、それ以上にデメリットがあるからナシ”
です。
たしかに人工甘味料は、
- 砂糖から置き換えれば太らない
- 砂糖から置き換えることで糖尿病の予防になる
といったメリットがあります。
しかし、人工甘味料には、
- 腸内環境を悪化させる可能性がある
- 腎臓に負担をかける可能性がある
- 脳を勘違いさせ食欲を暴走させるかもしれない
- 脳にダメージを与え、うつ病になる可能性がある
- 不妊症になる可能性がある
- 早産や生まれてくる子の肥満のリスクが高まる
- がんになる可能性は低いが白血病のリスクが高まる
といったデメリットがあります。
人工甘味料は、今までは問題ナシという方向が示されていました。
しかし、最近になって雲行きが怪しくなってきています。
特に、上記であげたデメリットはどれも見過ごすことができないもの。
よって、僕の評価は・・・
になりました。
- S評価・・・非常に高く評価する(強くオススメします!)
- A評価・・・高く評価する(できれば取り入れたい)
- B評価・・・評価する(お好きならどうぞ)
- C評価・・・難あり(オススメしません)
※あくまで僕の主観です。新たに発見があったら評価は変わる可能性があります。
なぜ、人工甘味料は「C評価:難あり」なのか?
詳しく解説します。
人工甘味料の基本的なお話
そもそも、人工甘味料ってなんなのでしょうか?
人工甘味料を理解するには、その前に砂糖についておさえておく必要があります。
砂糖は、お菓子やデザートに使われる甘味を与える調味料です。
主成分はショ糖(スクロース)と呼ばれ、グルコース(ブドウ糖)と果糖で構成されています。
砂糖の甘みは、人に快楽や心地よさをもたらすため食べる喜びを与えてくれます。
しかし、砂糖の過剰摂取は、肥満やメタボリックシンドローム、心血管疾患、2型糖尿病など健康に悪影響を与え問題になっているのが現状です。
”なぜ?食べるのか?”
それは、グルコース(ブドウ糖)を摂取することで生きるためにエネルギー通貨のATPを獲得するためです。
こんにちは、おっちーです^^今回も必ずやせて-10歳の健康美を手に入れるための「ダイエットの基礎知識」を学んでいきます。 前回は「飽食の時代」というテーマで、日本食から欧米食に変化したことにより、わたしたち[…]
人が甘さを求めるのは本能に刻まれています。
よって、避けることはできません。
そこで登場したのが人工甘味料。
代表的な人工甘味料としてアスパルテーム、アセスルファムK(アセスルファムカリウム)、スクラロース、サッカリンがあげられます。
※ここで述べる人工甘味料とは、合成甘味料のことです。ステビアやエリスリトール、キシリトールは天然甘味料や糖アルコールであり、合成甘味料ではないため、ここでは人工甘味料として扱いません。
アスパルテームやアセスルファムK、サッカリンは砂糖の200倍の甘みを持ち、スクラロースは600倍の甘みを持ちます。
そして、カロリーは砂糖に比べてほぼゼロであり、その優れた甘味と低エネルギーの特性から砂糖の置き換え食品として人気が高まりました。
この低エネルギーの特性により、人工甘味料は、
- 砂糖に比べて体重が減少する
- 砂糖からの置き換えにより糖尿病の予防になる
といったメリットがあげられます。
安全性もFDA(米国食品医薬品局)、EFSA(欧州食品安全機関)、日本では厚生労働省など公衆衛生機関によって承認されていることから担保されています。
で、最近はダイエット目的で人工甘味料が使用されており
- ダイエット・コーラなどの炭酸飲料
- ココアやカフェオレの粉末飲料
- サワー系のお酒
- ノンシュガーチョコレート
- のど飴
- ガム
- ゼリー
- ヨーグルト
- プロテイン
など、非常に多岐にわたります。
※カロリーゼロやカロリーオフと書かれた商品は、人工甘味料が使われているのがほとんどです。
参考:アスパルテームを使用した商品のL-フェニルアラニン含量について
僕は、人工甘味料に関してはそこまで悪い物ではないと思っていました。
よく、「人工甘味料は毒!」と言い切る方もいらっしゃいますが、まだ不明な点も多くそれは言いすぎかなと。
実際、厚生労働省や先進国の公衆衛生機関によって使用が承認されていますし、さまざまな研究結果により危険はないとされていますし。
そして、専門家のパネルディスカッションでも危険性はないとの結論を出しています。
参考:低カロリー甘味料に関する専門家のコンセンサス:事実、研究ギャップ、提案された行動(2020年6月)
しかし、最新の論文を読んでみるとどうも雲行きが怪しい。
最終的に「これ、ヤバくね・・・。」と思うようになりました。
人工甘味料のメリット
まずは、人工甘味料のメリットについておさえたいと思います。
人工甘味料のメリットは
- 砂糖から置き換えれば太らない
- 砂糖から置き換えることで糖尿病の予防になる
の2点があげられます。
人工甘味料は砂糖から置き換えれば太らない
人工甘味料は、砂糖から置き換えれば太りません。
なぜなら、人工甘味料は
- カロリーがほぼゼロ
- 血糖値を上昇させない
- 砂糖のように中毒や依存症にならず過食を防ぐ
からです。
人工甘味料はカロリーがほぼゼロ
人工甘味料のアスパルテームやアセスルファムK、サッカリンは砂糖の200倍の甘みを持ち、スクラロースは600倍の甘みを持ちます。
少量で十分な甘みが出るので、カロリーがおさえられるのが特徴です。
通常のコーラとダイエット・コーラの糖質を比較すると、
- 通常のコーラ:100mlあたり11.4g
- ダイエット・コーラ:100mlあたり0g
となっています。
糖質1グラムのカロリーは4kcal。
「11.4g × 4kcal = 45.6kcal」→500mlに換算すると、通常のコーラは228kcal。
一方、ダイエット・コーラは糖質が0gなので500mlに換算しても0kcalのまま。
つまり、228kcalと0kcalの差。
この差は大きいでしょう。
よって、人工甘味料はカロリーがほぼゼロのため太らないということです。
人工甘味料は血糖値を上昇させない
人は、血糖値が上昇すると太ります。
なぜ、血糖値が上昇すると太るのかというと、
”血糖値の上昇によって、細胞に取り込みきれなかった糖が、インスリンによって脂肪として蓄積される”
からです。
砂糖のとりすぎは、細胞に取り込みきれないほど血液中の糖(血糖)を増やします。
すると、余った糖はインスリンによって中性脂肪として蓄えられます。
その点、人工甘味料は糖質がゼロのため、血液中の糖(血糖)が増えません。
結果、余った糖のインスリンによる脂肪への変換が行われないため、太らないということになるのです。
人工甘味料は砂糖のように中毒や依存症にならず過食を防ぐ
砂糖の甘味は、人に快楽や心地よさなど喜びを与えてくれます。
この喜びは、脳の「報酬系」と呼ばれる回路にドーパミンが関与して快楽が得られるというもの。
この快楽は、実は麻薬と同じで依存症や中毒につながります。
なぜ、「やめられない、とまらない」が起こるかというと、この「報酬系」の刺激により快楽が得られるからです。
で、砂糖に含まれるグルコース(ブドウ糖)は、この「報酬系」を刺激します。
これは、食に対するモチベーションを上げることで生き残るためのカラダの仕組みなのですが、現代では逆効果になっている。
その点、人工甘味料はグルコース(ブドウ糖)を含みません。
よって、砂糖のように際限なく甘いものを求めるということにはならないから、太らないということです。
しかし、人工甘味料は、
- 快楽が得られないために、逆に快楽を得ようと甘いものへの欲が高まる
- 腸内細菌が乱れて太る
といった話もあります。
一概に人工甘味料は太らないとは言い切れないので注意してください。
もっと詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
人工甘味料は太るの?太らないの? こんにちは、おっちーです(^^) 糖質オフ!カロリーゼロ!!ダイエット食品に並ぶパワーワード。 これらの言葉を支えている[…]
人工甘味料は砂糖から置き換えることで糖尿病の予防になる
人工甘味料は、砂糖から置き換えることで糖尿病のリスクを低下させると言われています。
糖尿病になる原因は、
- インスリンが足りない
- インスリンが効かない
のどちらかです。
で、砂糖が糖尿病になる原因は後者です。
人は食事で糖質を取ると、
- 血液中の糖(血糖値)が上昇
- 膵臓からインスリンが分泌
- インスリンが筋肉や肝臓、脂肪細胞など各臓器の細胞に糖を取り込む
- 細胞に糖が取り込まれることで血糖値が下がる
- 細胞に取り込まれた糖はミトコンドリアによってエネルギーに変換される
といった流れでエネルギーを獲得しています。
※糖=グルコース(ブドウ糖)
上記の①〜⑤の流れを糖代謝と呼びます。
人は、糖代謝によりエネルギーが得られるから生きていけるのです。
なぜ、砂糖が糖尿病になるのか?
主な原因は肥満にあります。
砂糖は、
- カロリーが高い
- 血糖値を上昇させる
- 中毒や依存症により過食を誘発する
といった肥満につながる要素を持っています。
なぜ、肥満になると糖尿病になるのか?
それは、内臓脂肪に原因があります。
内蔵脂肪が増えると、
- インスリンの効きを良くするアディポネクチンが減少する
- インスリンの働きを弱めるTNF-αが増加する
- インスリンの働きを弱めるビスファチンが増加する
といったように、インスリンの働きが弱まります。
結果、インスリンの効きが悪くなり糖尿病になるのです。
ちなみに、インスリンの効きが悪くなることをインスリン抵抗性と呼びます。
このように砂糖は、肥満を引き起こすことでインスリン抵抗性につながり糖尿病につながるリスクを持っています。
一方、人工甘味料は砂糖からの置き換えにより肥満を予防します。
よって、人工甘味料は糖尿病を予防するというわけです。
より詳しいお話は下記の記事をご参照ください。
人工甘味料は糖尿病のリスクがあるの? こんにちは、おっちーです(^^)前回に続き、人工甘味料のリスクについてのお話です。[sitecard subtitle=健康美学 url=https://otc[…]
人工甘味料のデメリット
人工甘味料のメリットについて解説しました。
では、次に人工甘味料のデメリットを見ていきましょう。
人工甘味料のデメリットは、
- 腸内環境を悪化させる可能性がある
- 腎臓に負担をかける可能性がある
- 脳を勘違いさせ食欲を暴走させるかもしれない
- 脳にダメージを与え、うつ病になる可能性がある
- 不妊症になる可能性がある
- 早産や生まれてくる子の肥満のリスクが高まる
- がんになる可能性は低いが白血病のリスクが高まる
の7点があげられます。
人工甘味料は腸内環境を悪化させる可能性がある
腸内環境が悪化すると、
- 便秘や下痢などお腹の調子が悪くなる
- 免疫機能が低下し風邪をひきやすくなったり、アレルギーにつながる
- 慢性炎症を引き起こし、老化や「糖尿病、心筋梗塞・脳卒中、がん」などの生活習慣病につながる
- うつなどメンタルがやられる
- 太る
といった問題につながってしまいます。
よって、腸内環境の悪化は避けたいもの。
しかし、人工甘味料は腸内環境を悪化させる可能性があります。
なぜ、人工甘味料が腸内環境を悪化させるのか?
それは人工甘味料の静菌作用に原因があります。
静菌作用とは、細菌の発育や増殖を抑制する作用のことで、腸内細菌の豊かさを阻害するという意味です。
腸内細菌の豊かさが阻害されてしますと、腸内細菌の多様性が失われ腸内環境のバランスが崩れます。
特に、人工甘味料のアセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリンは腸内細菌の大腸菌を減少させることがわかっています。
大腸菌は、一部に病原性を持つものが存在しますが、大半は無害です。
この無害な大腸菌は、ビタミンK(止血に関わる)を生成したり、腸内の病原菌が増えるのを防ぐといった働きをもっており、腸内環境を整えてくれます。
しかし、人工甘味料によって大腸菌が少なくなってしまう。
そして、マウスによる研究では、人工甘味料が腸内環境を悪化させるとの報告が相次いでいます。
参考:低用量アスパルテーム摂取は食事誘発性肥満ラットの腸内細菌-宿主代謝相互作用に異なる影響を与える(2014年10月)
参考:人工甘味料アセスルファムカリウムがCD-1マウスの腸内細菌叢と体重増加に影響を及ぼすこと(2017年7月)
参考:スクラロースに対する腸内細菌群の反応とマウスにおける肝炎誘発の役割の可能性(2017年7月)
参考:サッカリンは腸内細菌叢とその代謝機能を変化させることにより、マウスの肝炎を誘発する(2017年9月)
また、人による研究でも人工甘味料が腸内環境を乱して耐糖能を低下させたとの報告があります。
※耐糖能とは、血糖値を正常値に戻す能力のことです。
ただし、人による研究では人工甘味料は腸内環境を悪化させないと真逆の結果を報告したものもあるので、一貫性はありません。
マウスによる研究では黒、人による研究ではグレー。
つまり、人工甘味料は腸内環境を悪化させないと言えば嘘になる。
よって、人工甘味料は腸内環境を悪化させる可能性があります。
より詳しいお話は下記の記事をご参照ください。
人工甘味料は腸内環境を悪化させるの? こんにちは、おっちーです(^^)前回に続き、人工甘味料のお話です。[sitecard subtitle=ダイエット学 url=https://otchidiet[…]
人工甘味料は腎臓に負担をかける可能性がある
人工甘味料は腎臓に負担をかける可能性があります。
腎臓に負担がかかると、慢性腎臓病や末期腎不全につながるリスクがあるので、できるだけ避けたいところ。
人工甘味料が腎臓に負担をかけるメカニズムとして、酸化ストレスがあります。
酸化ストレスとは、酸化反応により引き起こされる有害な作用のこと。
活性酸素による酸化反応(錆び)が、細胞を傷つけたり死滅させることで老化が進むことが酸化ストレスです。
で、酸化ストレスは腎臓にダメージを与えます。
参考:腎臓病が進行するしくみを解明(2016年10月東北大学)
参考:酸化ストレス処理機構と腎障害(2017年日本内科学会雑誌)
そして、人工甘味料のアスパルテームが酸化ストレスを引き起こすことがわかっています。
こちらの研究により、アスパルテームは過酸化脂質レベルをあげ、抗酸化酵素の活性化を有意に低下させることがわかりました。
過酸化脂質レベルが上がるということは、酸化によるダメージが増えているということです。
また、抗酸化酵素の活性化が低下するということは、活性酸素の除去能力が下がり酸化によるダメージにつながりやすいということです。
これにより、人工甘味料のアスパルテームは酸化ストレス物質であることがわかりました。
アスパルテームは、胃や腸で消化されると、アスパラギン酸(50%)、フェニルアラニン(40%)、メタノール(10%)の割合で代謝されます。
※アスパラギン酸とフェニルアラニンはいずれもアミノ酸(たんぱく質の部品)です。
で、注目がメタノール。
メタノールは最終的にホルムアルデヒドに代謝されます。
ホルムアルデヒドとは、シックハウス症候群の原因となる化学物質で炎症を引き起こす有害な物質です。
このホルムアルデヒドが、酸化ストレスを上げることになる。
実際、総勢19,995人が含まれた3件のコホート研究(前向き観察研究)を分析したメタアナリシスでは、人工甘味料入り飲料の消費が多いと、慢性腎臓病のリスクが1.4倍になると報告しています。
※ちなみに砂糖入り飲料は、慢性腎臓病のリスクが1.3倍になる。
また、ダイエットソーダを多く飲めば飲むほど、末期腎不全のリスクが高まると報告した研究もあります。
参考:ダイエットソーダの摂取と末期腎不全の発症リスク(2017年1月)
以上のことから、人工甘味料は腎臓に負担をかける可能性があると言えるでしょう。
より詳しいお話は書きをご参照ください。
人工甘味料は腎臓に負担がかかるの? こんにちは、おっちーです(^^)前回に続き、人工甘味料のリスクについてのお話です。[sitecard subtitle=健康美学 url=https://otch[…]
人工甘味料は脳を勘違いさせ食欲を暴走させるかもしれない
人工甘味料は脳を勘違いさせ食欲を暴走させるかもしれません。
人工甘味料の偽の甘さは、脳に「嬉しい!」といった喜び(報酬)が得られるものと勘違いさせます。
さらに人工甘味料は、
- 甘いものを見逃さずゲットする能力がアップする
- 甘いものから喜び(報酬)が得られず渇望感が増す
と、より甘いものを欲する体質に変えるかもしれません。
人工甘味料は、甘いものを見逃さずゲットする能力がアップする
人工甘味料は、甘いものを察知する能力と、それを得るための意欲と行動力がアップする可能性があります。
これを一言にまとめて”人工甘味料は、甘いものを見逃さずゲットする能力がアップする”と表現しています。
下記の研究では、人工甘味料のスクラロースは、脳の内側前頭皮質を活性化させ、甘いものを察知する能力とそれを得るための意欲がアップしたと報告しています。
また、同様に脳の眼窩前頭皮質を活性化させ、報酬(喜び)に敏感になり、その価値をえるためのよりよい選択・行動につながったと報告しています。
これを一言で表すと、人工甘味料は、甘いものを見逃さずゲットする能力がアップするということです。
※男性はレベルアップしません。肥満の人は男性でもレベルアップします。特に肥満の女性はレベルアップが顕著だとか。
人工甘味料は甘いものから喜び(報酬)が得られず渇望感が増す
これの鍵を握るのが脳の報酬系。
報酬系については、「人工甘味料は砂糖のように中毒や依存症にならず過食を防ぐ」にて述べました。
おさらいすると、脳の「報酬系」と呼ばれる回路にドーパミンが関与して快楽が得られるというもの。
報酬系とは、「食べる、交配する」など人が生き残り、子孫を残すことに喜びが得られる仕組みのことです。
報酬系が刺激され、快楽を得られることにより、それを求めるために行動する(動機づけ)といった仕組みが人に備わっています。
しかし、人工甘味料からは喜びが得られません。
下記の研究では、人工甘味料は、
- 脳の島皮質を活性化させず喜びが沸き起こらない
- 脳の腹外側前頭前野が活性化するので喜びが沸き起こったとしてもブレーキをかけられてしまう
と報告しています。
だから、人工甘味料では喜びが得られない。
喜びが得られないから、喜びを得ようとより甘いものを求めてしまう。
つまり、人工甘味料は、甘いものから喜び(報酬)が得られず渇望感が増すということです。
さらに詳しいお話は書きをご参照ください
人工甘味料が脳を勘違いさせる?それがカラダにどんな影響を与えるの? こんにちは、おっちーです(^^)前回に続き、人工甘味料のリスクについてのお話です。[sitecard subtitle=健[…]
人工甘味料は脳にダメージを与え、うつ病になる可能性がある
人工甘味料は脳にダメージを与え、うつ病になる可能性があります。
なぜ、人工甘味料がうつ病になる可能性があるのか?
それは、
- 酸化ストレスが脳にダメージを与える
- ホルモンの減少が脳にダメージを与える
- 脳の神経細胞に直接ダメージを与える
といった理由があるからです。
酸化ストレスが脳にダメージを与える
すでに述べましたが、人工甘味料のアスパルテームはメタノールに代謝され最終的に酸化ストレス物質のホルムアルデヒドとなります。
ホルムアルデヒドは酸化ストレス物質。
脳に酸化ストレスがかかると、脳の神経細胞やグリア細胞(脳を正常に維持するための細胞)にダメージを与え老化が進みます。
下記の研究では、マウスに人工甘味料のアスパルテームを投与すると脳の酸化ストレスが増加したと報告しています。
このことから、人工甘味料のアスパルテームは酸化ストレス物質であり、脳にダメージを与える可能性があります。
ホルモンの減少が脳にダメージを与える
これもすでに述べていますが、アスパルテームが胃や腸で消化されると、アスパラギン酸(50%)、フェニルアラニン(40%)、メタノール(10%)の割合で代謝されます。
で、ホルモンを減少させるのがフェニルアラニンです。
下記の論文では、アスパルテームの代謝物であるフェニルアラニンが過剰になると、ドーパミンとセロトニンを減少させると述べています。
脳内でドーパミンが低下すると、運動能力やバランス感覚、歩行能力が低下しパーキンソン病(ふるえ、体が動かしにくくなったり、転びやすくなる)につながってしまいます。
また、脳内でセロトニンが低下すると、「睡眠、記憶、感覚近く、気分のコントロール、体温調節」の障害、うつ病、不安症に影響を与えます。
つまり、人工甘味料のアスパルテームは、ドーパミンやセロトニンなどのホルモンを減少させることで脳にダメージを与える可能性があるということです。
脳の神経細胞に直接ダメージを与える
人工甘味料のアスパルテームは、脳の神経細胞に直接ダメージを与える可能性があります
その原因となるのが、アスパラギン酸。
アスパラギン酸は、アスパルテームが胃や腸で消化された結果、得られるアミノ酸です。
下記の論文は、アスパラギン酸が高濃度になると、神経細胞の過興奮(興奮が過ぎる)を引き起こすと述べています。
アスパラギン酸は、体内でアスパラギン、グルタミン酸、グルタミンに代謝されます。
特にグルタミン酸は、神経を興奮させる作用があり、この作用が強すぎると神経細胞が自ら死を選ぶ(興奮毒性)といったことにつながる。
つまり、アスパラギン酸が過剰になり過興奮になると、興奮毒性により神経細胞が死滅する。
よって、人工甘味料のアスパルテームは神経を過興奮(興奮がすぎる)を引き起こして脳に直接ダメージを与える可能性があります。
脳のダメージはうつ病の原因です。
人工甘味料は不妊になる可能性がある
人工甘味料は不妊になる可能性があります。
なぜなら人工甘味料は、
- 酸化ストレスにより卵巣のミトコンドリアの機能不全を引き起こし、卵子の成熟率を低下させる
といったことがあるからです。
アスパルテームは、酸化ストレス物質であることはすでに述べました。
で、下記の論文では人工甘味料のアスパルテームをラットに投与すると、卵巣の酸化ストレスレベルが高くなったと報告しています。
卵巣が酸化ストレスを受けると、卵巣の細胞に住むミトコンドリアの機能が低下します。
ミトコンドリアとは、細胞のなかでエネルギーを作り出す器官。
卵巣のミトコンドリアの機能が低下すると、卵子の成熟と初期発生の制御がうまく機能しません。
結果、卵子が成熟せず、妊娠に至らないため不妊となります。
実際、下記のコホート研究(前向き観察研究)では、人工甘味料のアスパルテームは不妊症になる確率を上昇させたと報告しています。
このことから、人工甘味料は卵巣の機能低下を引き起こし、不妊症の確率を上げる可能性があります。
さらに詳しいお話は、下記をご参照ください。
人工甘味料って不妊になるの? こんにちは、おっちーです(^^)前回に続き、人工甘味料のリスクについてのお話です。[sitecard subtitle=健康美学 url=https://otchidi[…]
人工甘味料は早産や生まれてくる子の肥満のリスクが高まる
人工甘味料は、早産や生まれてくる子の肥満のリスクが高まります。
現状、3分の1ほどの妊婦の方が人工甘味料を消費しており、その大半は週に1回以上の摂取状況となっています。
結構な割合で人工甘味料の摂取がされていますが、これは厚生労働省やFDA(米国食品医薬品局)、EFSA(欧州食品安全器官)による公衆衛生機関によって安全性が担保されているからでしょう。
しかし、公共機関によって、安全性が示されているにも関わらず、人工甘味料の危険性を示す研究が相次いでいます。
早産、生まれてきた子の肥満もその一つ。
下記の研究は、妊娠中に人工甘味料を摂取すると、早産になる可能性が高まると報告しています。
また、下記のメタアナリシスでも人工甘味料は早産になるリスクが18%増加すると報告しています。
なお、このメタアナリシスでは、人工甘味料が早産になるメカニズムとして、
人工甘味料が腸内環境を乱すことによって炎症が引き起こされ、過剰なレベルの炎症状態が胎盤の血管の機能不全をもたらし、早産につながると推測しておりました。
以上のことから、人工甘味料は早産になるリスクを高める可能性が高いと言えるでしょう。
そして、下記のコホート研究(前向き観察研究)では、人工甘味料入りのダイエットソーダを1日1回摂取すると、生まれてきた子のBMI(肥満度)が平均よりも高くなると報告しています。
こちらの研究でも、妊娠中の人工甘味料の摂取が、腸内細菌の乱れとなり乳児の肥満につながると報告しています。
より詳しいお話は、下記の記事をご参照ください。
妊娠中に人工甘味料を気にしないとどうなるの? こんにちは、おっちーです(^^) 人工甘味料は、 ダイエット・コーラなどの炭酸飲料 ココアやカフェオレの粉末飲料 サワー[…]
人工甘味料はがんになる可能性は低いが白血病のリスクが高まる
最後に、人工甘味料とがんの関係について解説します。
人工甘味料は、がんになる可能性は低いです。
なぜなら、多くの研究結果を統合したメタアナリシスでは、人工甘味料とがんの関連性を否定しているからです。
参考:人工甘味料の摂取による悪影響-システマティックレビュー(2016年4月)
参考:非砂糖甘味料の摂取と健康アウトカムとの関連:無作為化および非無作為化対照試験と観察研究の系統的レビューおよびメタ分析(2019年1月)
参考:砂糖入り飲料または人工甘味料入り飲料の消費と死亡率の関連性。前向きコホート研究の系統的レビューおよび用量反応メタ分析(2021年3月)
参考:人工甘味料は癌の発生と死亡のリスクを高めることができるか。前向き研究からのエビデンス(2022年9月)
参考:人工甘味料入り飲料の摂取とがんリスク:前向き研究の包括的な用量反応メタアナリシス(2022年10月)
しかし、これらのメタアナリシスでは、人工甘味料とさまざまな種類のがんの関連を否定しているものの、白血病だけは関連していると報告しています。
下記のメタアナリシスでは、人工甘味料入り飲料の高摂取が、白血病になるリスクを35%上昇させると報告しています。
また、1日の人工甘味料入り飲料の摂取量を1食分(355ml)増加するごとに、リスクが15%上昇すると、用量が増えれば増えるほどリスクが高まるとのこと。
その原因は、アスパルテームのメタノールにあります。
メタノールが、ホルムアルデヒドに代謝されることで、これが発がん性物質となり白血病につながるということです。
よって、人工甘味料はがんになる可能性は低いものの白血病のリスクは高まると言っていいでしょう。
人工甘味料はがんになるって本当? こんにちは、おっちーです(^^) 人工甘味料は、 ダイエット・コーラなどの炭酸飲料 ココアやカフェオレの粉末飲料 サワー系のお酒[…]
以上、人工甘味料のメリット・デメリットについてまとめました。
人工甘味料をダイエットで利用するのはアリなのか?ナシなのか?
再度、結論を申し上げると、
”人工甘味料はメリットがあるが、それ以上にデメリットがあるからナシ”
ということになりました。
よって、僕の評価は・・・
です。
- S評価・・・非常に高く評価する(強くオススメします!)
- A評価・・・高く評価する(できれば取り入れたい)
- B評価・・・評価する(お好きならどうぞ)
- C評価・・・難あり(オススメしません)
※あくまで僕の主観です。新たに発見があったら評価は変わる可能性があります。
人工甘味料は、痩せるための手段としてはアリだと思いますが、健康のことを考えると避けたほうがよいでしょうね♪
まとめ
最後にもう一度内容を確認しましょう。
- 人工甘味料は砂糖による肥満やメタボリックシンドローム、心血管疾患、糖尿病の問題を解決する代替案として提案されている
- 人工甘味料は砂糖から置き換えれば太らない
- 人工甘味料は砂糖から置き換えることで糖尿病の予防になるといったメリットがある
- しかし、人工甘味料は腸内環境を悪化させる
- 腎臓に負担をかける可能性がある
- 脳を勘違いさせ食欲を暴走させるかもしれない
- 脳にダメージを与え、うつ病になる可能性がある
- 不妊症になる可能性がある
- 早産や生まれてくる子の肥満のリスクが高まる
- がんになる可能性は低いが白血病のリスクが高まるといったデメリットがある
いかがでしたでしょうか?
人工甘味料はメリット以上にデメリットがあります。
たしかに肥満や糖尿病の予防になるのは魅力ですが、それ以上のデメリットを考えると僕は人工甘味料をオススメできません。
できれば公共機関により規制がかかっても良いのではと思っているのですが、ここまで経済的に流通してしまっては、いまさら後戻りするのは難しいのかもですね・・・。
やはり、自分で調べて自分なりに結論を出す姿勢は必要だなぁと思いました。
今回のお話で、人工甘味料の理解を深めることができたと思います。
長くなってしまいましたが以上です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
それではまた♪